C言語に関するフレームワークは？概要やスキルを習得するメリットも紹介

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この記事のまとめ

• C言語は処理速度が速く、ロボット産業やIoT分野など様々な分野で利用されている歴史あるプログラミング言語である
• C言語は習得難易度が高いというデメリットがある一方で、他のプログラミング言語学習の基礎になるというメリットもある
• C言語に関するフレームワークには、Treefrog、CSpec、Kyuaなどがあり、開発効率やコードの品質の向上に役立つ

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C言語はおよそ半世紀前に開発された、歴史あるプログラミング言語です。一時期はシェアトップクラスを誇り、さまざまな理由から現在も根強く使用されています。この記事では、C言語に関するフレームワークのほか、概要や活用されている分野、学ぶメリットとデメリットをまとめました。C言語の理解を深め、今後のスキルアップに活かしましょう。

C言語の基礎知識

プログラミング言語の中でも、C言語はおよそ半世紀の歴史を持つ古い言語です。1972年に実行可能な機械語を直接生成するコンパイラとして開発されました。

C言語という命名は、開発のもとになったプログラミング言語の名前がB言語だったことが理由の1つです。1973年には、開発母体となったOSであるUNIXの大部分が、アセンブリ言語からC言語に書き換えられました。その後現在に至るまで幅広く使われているUNIXは「高級言語によって記述されたはじめてのOS」とされています。

1980年代以降、C言語は広く使われるようになりました。1985年にはプログラミング言語のシェアトップクラスとなり、JavaやPHPといった新しい言語が台頭する21世紀初頭まで人気を集めました。

2023年3月現在もC言語のニーズは根強く、家電や自動車、航空宇宙、基幹システムといった歴史ある産業だけでなく、IoTやAIといった近年注目を集める分野でも不可欠な技術要素となっています。

C言語とC++はどう違う？

C言語が派生して生まれた言語がC++です。C++はC言語の要素を踏襲しながらも、さらにオブジェクト指向の要素が加わっているのが大きな違いといえるでしょう。

C言語とC++には互換性があるため、ソフトウェア開発において同時に使われることもあります。

C言語に関するフレームワーク

一般に、C言語のエンジニアはあまりフレームワークを使いません。それでも、押さえておくべき重要なフレームワークもあります。

Treefrog

Treefrogは、C++を用いたWebアプリ製作向けのフルスタック型のフレームワークです。TreefrogはC++のフレームワークのため、習得するにはC言語のほかC++を学ぶ必要があります。

Treefrog習得のメリットは、小型の案件を獲得するチャンスが広がる点です。収入を安定させるためにも、フットワークを軽くして小型案件を積極的に受注しましょう。

CSpec

C言語の代表的なBDDフレームワークがCSpecです。分析技法のTDDとの親和性が高いほか、仕様書作成のようなユニットテストを記述できるのがメリットとされています。

Kyua

Kyuaはテスト用のフレームワークで、とりわけコマンドの動作チェックに向いています。Kyuaは、違うプログラミング言語で書かれたテストプログラム・テストライブラリにも使用可能です。また、テスト結果の詳細が履歴データベースに保存されるため、後から見返して詳細な分析に役立てられます。

CUnit

CUnitは、単体テスト用のフレームワークです。
単体テストとは、プログラムの小さな要素を取り出して、各要素ごとに整合性が取れているかテストすることを指します。
主にコーディングミスがないかテストをするためのフレームワークで、タイピングミスのような自分では気づきにくい小さな要素をチェック可能です。

Cmockery

Cmockeryも、単体テスト用フレームワークです。
Mockのためのテストコードが用意されていることが特徴ですが、機能面は非常に簡素となっています。

CppUTest

CppUTestも単体テスト用のフレームワークですが、C言語だけでなく、C++にも対応しています。
簡潔なプラットフォームが特徴で、大まかな機能については他の単体テスト用フレームワークと同じですが、メモリリークを検出する機能をもちます。

Cutter

こちらも単体テスト用のフレームワークですが、結果の出力形式が、デバッグに適しているということが特徴です。
また、テスト用の記述が簡単なこともあり、使いやすいフレームワークだといえるでしょう。

Unity

C#をサポートする同名のゲーム用フレームワークとは違い、組込みシステム用のフレームワークです。
プログラムの単体テストを行うためのフレームワーク、xUnitの名前から取られています。このフレームワークは、C言語用に作られた軽量なテスト用フレームワークで、機能こそ少ないものの、実践的なテストで必要とされる各種機能を搭載しています。

C言語エンジニアの活躍分野

具体的なC言語エンジニアの活躍分野は主に処理速度が求められ動作環境のリソースに制約があるような領域が多いです。以下に例を示します。

ロボット産業

近年注目を集めている分野です。コミュニケーション型ロボットのほかにも製造現場で人間に代わって作業を行う産業ロボットなどが代表例として挙げられます。

ロボットの複雑な動きを制御するには、精密なプログラムが必要です。このプログラムの記述に最適なのが、機械語に近く高速に動作する性質を持つC言語とされています。

IoT分野

ロボットと同様、注目度が高まっている分野です。「インターネットとモノ」をつなぐIoT技術のうち、家電や住宅設備、自動車といった生活と密接に関係している領域が、C言語エンジニアの主な活躍場所となっています。

通信環境の整備

C++やJavaも多く使われる分野ではありますが、C言語の存在感が大きいのが通信関連です。モデムあるいはルーターといった通信機器の開発や、テレビ会議システムの構築といったあたりにC言語エンジニアが活躍する場があります。

C言語の特徴と学習するメリット

以下では、C言語の特徴と開発に使うメリットについて解説します。C言語が持つメリットとともに、C言語の特性が活かせる開発を理解しましょう。

さまざまな開発に広く対応できる

C言語は元々、UNIXを移植しやすくするために作られた言語です。そのため、ハードウェアに適した処理ができます。また、現在ではスマホのアプリケーション・組み込みソフト・ゲーム開発など、ソフトウェアの開発においてもC言語は使用されていることが多いです。コンピューター機器・自動車・家電からソフトウェア開発まで、C言語はさまざまな用途に対応可能で、汎用性が高いとされています。

処理速度が非常に速い

プログラミング言語は、C言語が属するコンパイラ型言語とインタプリンタ言語に分けられます。インタプリンタ言語はプログラムを実行しながら、同時にソースコードを機械語に翻訳することが特徴です。このため処理速度が遅くなります。

一方で、C言語に代表されるコンパイラ型言語は、実行する前にソースコードをコンピュータが解釈できる機械語に翻訳するため、処理速度が非常に速いです。

ほかのプログラミング言語学習の基礎になる

C言語はプログラミング言語のうちで歴史ある言語であるため、さまざまな言語に影響を与えています。C言語を理解できれば、大抵の言語は意味が分かるようになるはずです。特に、Objective-CやC++はC言語から直接派生した言語であり、C言語を習得すればこれらの学習もスムーズに行えます。

C言語を学ぶデメリット

以下では、C言語を開発に使うデメリットについて解説します。C言語のデメリットについても理解して、今後に役立てられそうか判断しましょう。

言語自体の習得難易度が高い

C言語を開発に使うデメリットとして、覚えるべき知識が多岐にわたり、言語自体の習得難易度が高いことが挙げられます。C言語はハードウェアを制御する機能を持つため、習得にはコンピュータを構成するCPUやメモリの知識のほか、ライブラリ・開発手法・デバッグの扱いなど、多様な学習が必要です。

また、ほかの言語では自動化されている機能でも、C言語においてはコーディングが必要なことがあります。ただし、C言語は古くから使われているため、学習教材は豊富です。

Web・スマホアプリ制作にはより向いた言語がある

C言語は他言語と比較すると自動化されておらずコーディングが必要な機能が多いため、管理項目が多岐にわたります。そのためC言語を用いた開発には時間がかかりやすいです。Web・スマホアプリの開発など、開発にスピードが求められる場合は、学習時間が少なくすむ他言語が選ばれやすくなっています。

未経験可のC言語案件はある？

エンジニアあるいはプログラミングの経験がまったくなければ、案件受注には結びつきません。C言語はコンピュータの仕組みを熟知していないと理解が難しく習得の難易度が高い言語のため、案件を出す側もプログラミングの経験者を求めるからです。

一方で、他言語の経験がある場合は歓迎されている案件も存在します。JavaやJavaScript、C#など、C言語には数多くの派生言語があり、そういった言語の経験があれば、C言語を比較的スムーズに習得することができるからです。

C言語エンジニアとしての価値を高めるには

C言語のスキルだけでは、エンジニアとしての将来は厳しいと考えるべきでしょう。技術に幅を持たせることが必要です。

JavaやJavaScript、PHP、Python、SwiftはC言語の派生言語で、容易に習得できます。Cの派生言語とされてはいませんが、Go言語の習得も重要です。

取り入れるスキルはプログラミングだけではありません。上流工程に参画できるよう経験を積むこと、業界や業務の専門知識の獲得など、エンジニアとしての付加価値を高める方法はたくさんあります。

高単価案件獲得には経験も重要視される

できることなら、高単価の案件を受注したいとフリーランスエンジニアであれば誰しも思うでしょう。C言語のエンジニアが高単価案件の受注を目指す場合に、ぜひとも経験しておきたいことを示します。

上流工程やマネジメントの経験

高単価を目指すための定番と言えるでしょう。この経験があると、単価の高い上流工程への参画が可能になることがあります。商談の際には、積極的にアピールしたいポイントです。

業界および業務の専門知識

案件にマッチする、もしくは類似する専門知識は単価アップに有効です。案件にマッチする経験を積んでいるかが重要なので、事前のリサーチはしっかり行いましょう。

大規模システム開発

かつては、C言語による大規模なシステムの開発も行われていました。近年では少なくなってきたとはいえ、C言語による大規模システム開発の経験は、高い評価を得られるポイントでもあります。

C言語に関する実際の案件数と平均単価

フリーランスHubで、C言語の案件数を確認してみましょう。
Ｃ言語の案件数や平均単価は以下の通りです

案件数：9,050
月額単価相場：60～70万円
最高単価：150万円
最低単価：19万円
（2024年9月3日現在）

単価別の案件を見ると、一番多いのは60万円台で全体の40%ほどを占めています。ただし、50万円台、70万円台の案件数は、いずれも60万円台の案件数の半分強あり、単価には幅があると考えてよいでしょう。

案件数ベースで、他のプログラミング言語を見てみます。C言語とも密接な関わりのあるC++の案件数は8,228件程度です。
参考までに、その他の人気言語の案件数も確認しましょう。

Java：64,850件
Python：20,977件

人気言語は案件数が多いです（2024年9月3日現在）。

こうして比較するとC言語は少なく感じるかも知れませんが、人気の言語と比べた場合です。C言語に対する需要は根強く、組み込みあるいは制御システムの開発、Webシステム開発を中心に、案件は確実にあると考えていいでしょう。

まとめ

C言語は、思っている以上に多くの分野で使われているプログラミング言語です。特に産業分野との結びつきは強力で、エンジニアの需要がなくなることは考えにくいと言えます。

また、C言語の習得は、エンジニアにとって大きな武器です。最初に習得するプログラミング言語としてはかなりハードルが高いものの、他言語を習得してからであれば難易度は下がるため、積極的に検討していきましょう。