ウェブ解析士はどんな資格？試験内容や取得するメリット、勉強方法を解説

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この記事のまとめ

• ウェブ解析士とは、アクセス解析などを用いてWebマーケティング戦略を立案し、ビジネスの成功に導く人材を育成する資格
• 資格取得にすることで、実務に役立つ知識の習得、キャリアアップ、人脈形成などのメリットがある
• 試験はオンラインで実施され、公式テキストの持ち込みが可能だが思考力を問う問題が増えているため、しっかりと学習しておく必要がある

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ウェブ解析士はアクセス解析などの手法を用いたWebマーケティング全般に精通し、ビジネスを成功に導く人材です。また、資格自体の名称でもあります。本記事ではウェブ解析士の試験内容のほか、取得するメリットや注意点、勉強方法などを解説します。ウェブ解析士に興味がある方、資格取得を検討している方はぜひ参考にしてください。

ウェブ解析士とは

ウェブ解析士の業務は、アクセス解析だけではありません。オンラインデータに加え、電話問い合わせ数や営業成績など含めた解析でマーケティングのPCDAを評価します。ビジネスを成功に導くのが役目です。

ウェブ解析士の定義

ウェブ解析士は、一般社団法人ウェブ解析士協会の認定資格です。解析データを活用し、デジタルマーケティングで事業を成功に導ける人材を育成するのを目的としています。

ウェブ解析士は、アクセス解析に加えてKPIの設定や事業の計画立案、ファシリテーションなどに精通しています。学ぶ範囲は広く、デジタルマーケティングを超えた営業全体の知識と経験が求められます。

ウェブ解析士資格のレベル

ウェブ解析士資格には3つのレベルがあります。ウェブ解析士・上級ウェブ解析士・ウェブ解析士マスターの3段階です。

ウェブ解析士資格を取得すると、上級ウェブ解析士の受験資格が得られます。ウェブ解析士マスターも同様に、上級ウェブ解析士の資格取得が受験条件です。

最上級のウェブ解析士マスターの取得者は、ウェブ解析士資格者全体の1％程度。難易度が高い資格だといえるでしょう。

ウェブ解析士がもつ役割

ウェブ解析士の分析対象は、アクセス解析を含めたより広範囲のウェブ解析です。

たとえば、アクセス解析で得られるデータから企業の「重要業績評価指標」であるKPIを設定、評価する業務を行う場合もあります。ただアクセス数や成約数を分析するのではなく、企業の営業目標との相関や目標達成にどれだけ貢献しているかという指標も評価します。

ウェブ解析士を取得するメリット

解析の知識は実務で覚えられるケースも多いので、「資格を取る必要があるのか」と疑問に思う人もいるでしょう。資格学習は、汎用性の高い知識を体系的に学ぶのに適した方法です。ウェブ解析士を取得するメリットを解説します。

実務に直結するウェブ解析のノウハウが得られる

ウェブ解析士の資格取得カリキュラムは、「実務でどれだけWeb解析を活用できるか」が主軸です。実務での活用方法を知ることは、仕事の幅を広げるのに有効だと考えられます。

現代のマーケティングの企画では、計画・実行・評価・改善というPDCAサイクルの各段階で解析の知識が活用可能です。それぞれを数値で評価し、「どのような指標が施策効果を的確に評価できるか」という観点で、実務に直結した解析のノウハウを獲得できます。

社内での新たな地位の獲得や転職に役立つ

ウェブ解析士の資格は多くの業種の実務に応用できるため、現在従事している業界だけでなく、関連した仕事の獲得に役立ちます。Web系の企業でウェブ解析士の資格保持者を指定するケースもあるようです。

ウェブ解析士協会は人材と中小企業のマッチングを行っており、資格取得者を求める企業の紹介を受けられます。ウェブ解析士の資格を取れば、仕事の選択肢を大きく広げられるでしょう。

解析士同士の人脈を作れる

ウェブ解析士は資格取得の過程で講座を受講します。取得後もセミナーや勉強会に参加でき、その過程で業種や経験、年齢を超えた人間関係や人脈の構築が可能です。

ウェブ解析士協会は資格運営のかたわら、ウェブ解析士同士が交流したり、ともに活動したりする場を設けています。人脈を有効に使えば、自身の評価や仕事のレベルアップにつながるでしょう。

ウェブ解析士を取得する場合の注意点

ウェブ解析士の学習や取得にはいくつか注意点があります。常に最新情報のキャッチアップが必要である点、資格をアピールして仕事につなげないといけない点などを念頭に入れましょう。

資格維持のため常に学習が必要

ウェブ解析士の資格学習では、ウェブ解析士協会の公式講座を受講します。実務に即した資格であり、講座内容はその年の時点での最新の内容です。したがって、資格を取得した後も、常に新しい情報を取り入れていかないといけません。

最新情報が不足すると、実務で多くの齟齬が生じるでしょう。ウェブ解析士は取得後も常に学び続けることで実効性を持ちます。

ウェブ解析士協会では、資格取得者向けに毎年無料で公式テキストのPDFを配布しています。解析士として最新の情報を学ぶ環境が提供されているので、ぜひ活用しましょう。

取得しただけで仕事が得られるわけではない

ウェブ解析士は、取得しただけで仕事が得られるとは限りません。

合格後は資格取得をクライアントにアピールし、ウェブ解析士のスキルを活かせる案件を獲得しましょう。ウェブ解析士協会の企業とのマッチングサービスを使い、自ら案件を獲得しにいくのも手です。その際、人脈を活用できるでしょう。

ウェブ解析士資格の取得方法と試験内容

ウェブ解析士の資格は、ウェブ解析士協会の実施する試験に合格すると取得できます。基本的には独学で学びますが、ウェブ解析士協会主催の講座を受講したうえでの受験も可能です。ここからは、ウェブ解析士資格試験の内容や費用を解説します。

受験方法は2種類

公式のテキストや教材を用いて独学し、ウェブ解析士協会に受験を申し込んでから受験します。ウェブ解析士協会の試験対策講座を受けてからの受験も可能です。

試験は公式サイトから申し込みます。インターネット受験なので指定された期間内で好きなタイミングで受けられ、合否はその場で判明します。不合格となった場合も、受験料を支払えば再試験可能です。
2023年の試験改定で、試験後に課されていたレポート提出はなくなりました。

資格取得にかかる費用

資格取得には、公式テキスト（PDF4,400円、書籍8,800円）と受験料17,600円がかかります。資格試験講座の受講には11,000円が必要です。毎年発行される公式問題集は2,750円（税別）です。

決して安い費用ではありませんが、テキストや講座まですべて公式で揃っているため、他の資格試験より安価だといえます。

必要な学習時間と合格率

必要とされる学習時間は、Web業界の経験者であれば15時間から30時間程度、未経験者であれば40時間から60時間程度とされます。

ウェブ解析士資格試験の合格率は例年40％から70％で推移していましたが、変更があった2023年3月の試験では95％になりました。ただ、試験内容や出題形式は今後も変更される可能性もあるため、受かりやすいとは断言できません。

試験内容

ウェブ解析士資格試験の内容は、2023年度から大きく変更になりました。これまで60分60問の試験だったものが、改定後は120分50問になっています。

暗記中心から考える力を重視する方針になったのが変更の理由のようです。計算問題や単純な正誤問題のように正解が明確な問題から、選択肢の中で最も適切な答えを選ぶような考えさせる問題に変化しています。

ウェブ解析士資格試験は公式テキストの持ち込みが可能で、変更により時間の余裕が生まれました。ただ、いずれの問題も意味や内容をしっかり理解していなければ解けないでしょう。

ウェブ解析士資格の勉強方法

ここからは、ウェブ解析士資格試験の勉強方法を解説します。資格試験の中では教材が限られ、公式問題集があるので、比較的勉強しやすい資格だといえます。しっかり対策して合格を目指しましょう。

テキスト学習と講座を受講

勉強の主体はテキスト学習になります。公式テキストは試験に持ち込めますが、考えさせる問題が中心なので内容の理解が重要です。

講座学習では問題演習の解き方や考え方を指導してもらえます。試験対策に有効なだけでなく、Web解析の考え方や実務で役立つ知識も得られるのがポイントです。「時間がない」「お金がない」などの事情がなければ、講座の受講をおすすめします。

過去問で演習

ウェブ解析士認定試験に過去問はありませんが、毎年公式問題集が発行されます。公式問題集の問題は実際に出題される試験にかなり近い形になっていて、やり込むことで対策になるでしょう。

間違えた問題から理解が不十分な内容を見つけ、都度覚えなおす形で学習を進める勉強方法がおすすめです。

試験改正への対策

公式テキストは毎年1月に刷新され、試験の改定などもこのタイミングで行われることが多いようです。

勉強途中に内容の変更があると厄介です。受験する場合は11月までに学習を終え、変更に対応できるようスケジュールを調整しましょう。

ウェブ解析士の上位資格

ウェブ解析士試験に合格すると、より上位の資格に挑戦できます。上級ウェブ解析士とウェブ解析士マスター資格です。最終目標をこれらの上位資格に置いている人も少なくないでしょう。最後に、ウェブ解析士の上位資格について解説します。

上級ウェブ解析士

上級ウェブ解析士は、会社のKPI設定の手法や売上アップを目指す戦略の立案、事業拡大のための新規事業の提案など、より実務に即した形で解析データを戦略へ落とす知識を認定します。

学習時間は公式で40時間から60時間が望ましいとされています。受講料が88,000円なので、費用面の負担が大きい資格だといえます。

また、「上級ウェブ解析士認定講座」の受講も必要です。受講中は「事前課題」「中間課題」の提出、試験終了後は「修了レポート」や「修了テスト」が課されます。

ウェブ解析士マスター資格

ウェブ解析士マスター資格は、ウェブ解析士の資格の中で最も難易度の高い試験です。

実務でWeb解析を活用できるスキルの証明になると同時に、ウェブ解析士や上級ウェブ解析士向けの講座を開けるようになります。公式で学習時間に約150から200時間程度かけるのが望ましいとされており、要求されるレベルも高くなっています。

ウェブ解析士資格でキャリアアップを目指そう

ウェブ解析士は2023年の改正を経て、より実務に強い資格になりました。実用性が高い資格なので、興味がある方、仕事で活用できそうな方は受験を検討すると良いでしょう。

より上級の資格を目指すことで、効率良くキャリアアップできるでしょう。上位試験も見据えてしっかり学習してください。