最終更新日:2024年10月30日
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この記事のまとめ
SLAは事業者とユーザーで取り決めるサービスの品質、SLOは事業者が設定するサービスレベルの目標を指す用語です。SLAよりもSLOのほうが数値・割合の基準が厳しく設定される傾向にあります。どちらもシステム運用、特にクラウドサービスには欠かせない要素です。本記事では、メリットや問題点、罰則の観点からSLAとSLOについて詳しく解説します。
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おすすめの案件を受け取るSLAとSLOは文字の並びは似ていますが、意味は異なります。具体的にどのような点が異なるのか、大きく3つに分けました。
SLAとSLOの大きな違いは、設定時の数値や割合です。SLOはSLAよりも厳しく設定されます。SLAとSLOの目的が大きく異なるためです。
SLOはService Level Objectiveの略称で、社内で目指す目標の数値を表しています。SLAはService Level Agreementの略称で、利用者が品質に合意するための指標として現実的な数値を設定するのが一般的です。
SLAとSLOでは罰則やペナルティにも違いがあります。
SLAは設定したサービスレベルに達しなかった場合、罰則が発生します。たとえば、SLAで月間稼働率を99%と設定し、これを下回った場合は返金するなどです。
しかし、すべてのクラウドサービスに罰則規定があるとは限りません。利用者は罰則およびペナルティを契約時に確認しておく必要があります。
SLOはサービス提供者側が設定する社内での目標なので、罰則はありません。
SLAとSLOの特徴として、内容を公開するか否かの違いも挙げられます。SLAはサービス品質に関して利用者の合意を得る必要があるため、契約前に内容を公開するのが原則です。
SLOはサービスを提供する側の目標のため、内容を公開する必要がありません。このため、SLOはメンテナンスの通知日や作業手順など、サービス提供側に向けた専門的な内容が含まれます。
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おすすめの案件を受け取るここでは、SLAについて詳しく解説します。
SLA(Service Level Agreement)は、「サービスレベル合意」もしくは「サービスレベル保証」と訳されます。サービス内容に関する事業者と利用者の契約を指すのが特徴です。
事業者は利用者に向け、サービス品質を保証するレベルを記します。SLAの多くは可用性(稼働率)で表され、定量的に評価できる内容になります。利用契約書の付属資料として加え、契約時に利用者に提示するのが一般的です。
また、利用者との契約だけでなく、社内のIT部門と事業部門の間でSLAが結ばれるケースもあります。
経済産業省SaaS向けSLAガイドラインによると、SLAは一般的に以下の項目で構成されています。
サービス提供側は利用者が理解できるよう、具体的な稼働率やサービスの内容・サービスレベルを数値化したもの・補償内容などを提示します。
SLAを設定する最大のメリットとして、以下の3つの透明性を確保できることが挙げられます。
上記を透明化しておけば、サービスの責任範囲が明確化されます。他企業との差別化が図れ、利用者にアピールする材料にもなります。利用者側からの信頼獲得にもつながるでしょう。
SLAには問題点もあります。SLAは多くの場合、技術者以外の従事者が作成します。そのため、技術的には困難な数値が設定されるケースもあるのです。
また、ビジネスの優先事項と合わないこともあるため、SLAの作成には技術者を含めた専門家の関与が重要です。原案を技術者以外が作成し、専門家によるチェックを何度か繰り返して、確実に保証できる数値を設定しましょう。
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おすすめの案件を受け取る続いて、表記が類似していてよく比較対象になるSLOについて解説します。
SLO(Service Level Objective)は「サービスレベル目標」と訳されます。事業者が設定するサービスに関する目標です。SLAで定めた多くの指標を達成するべく、努力目標を数値化したものを指します。
目標値のため、一般的にSLOはSLAよりも厳しく設定する事業者が多いようです。たとえば、SLAで稼働率を99.5%と設定した場合、SLOはそれよりも高い99.9%に設定します。
SLOの内容は業態や事業者ごとに異なりますが、一般的には以下の項目で構成されています。
サービス提供側によっては、運用手順書や作業手順書に書くべき内容をSLOに記し、手順の遵守を目標とする場合もあります。内容は事業者によりけりです。
SLOは一般的に公開が義務付けられていません。しかし、中にはSLAと合わせて公開されているところもあります。確認できる場合は目を通すようにしましょう。
SLOはサービス提供側の目標なので、事業者間で目標値を共有できるのが最大のメリットだといえます。目標を共有すれば業務の計画が立てやすく、作業の優先順位を決められるのも利点です。
利用者から対応不可能な品質を求められた場合も、あらかじめSLOを設定しておけば自社のサービス内容・目標を提示できます。自分や事業所を守れるのがポイントです。
SLOを設定するにあたって、内容には注意が必要です。測定不可能な数値を設定していたり、複雑もしくは曖昧な内容だったりすると、事業者間で共有しづらくなります。技術者や利用者と内容に関してもめる可能性もあるでしょう。
また、トラブルやシステムの不具合が起こる可能性をゼロにするのは現実的ではありません。SLOの目標を100%にするのは避けましょう。SLO設定の際には現実的な数値を記載することが、モチベーションの維持にも重要です。
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おすすめの案件を受け取るSLAとSLOの概要と違いについてお伝えしました。ここでは、SLA設定のポイントを解説します。
前述したように、SLAはサービス提供側と利用者側の合意および契約です。SLAは利用者にとって重要なことを中心に作成する必要があります。このため、専門用語をできるだけ省き、利用者にとって分かりやすい文面を心がけるのが大切です。
複雑な文面や内容だと、理解するのが難しくなります。トラブルの要因にもなるため、SLAを設定する際は注意が必要です。
SLAは提示したサービス品質が達成できなかった場合に、ペナルティを課す必要があります。このため、ペナルティが課される具体的な評価基準を設けるのが重要です。
具体的な評価基準は、トラブル発生時を想定し、時間単位の利用料金や稼働時間・トラブル発生時から復旧までの時間・データ速度の下限などを数値化します。可能な限り具体的な内容を数値化するのがコツです。
ペナルティが関わってくるため、サービス提供側は技術者や現場の担当者などと協議しながら、現実的な数字を提示しなければなりません。
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おすすめの案件を受け取るSLAに続いて、SLO設定にあたってのポイントを解説します。SLAの内容やポイントを踏まえた上で作成すると良いでしょう。
前述したとおり、SLOはSLAを満たすための目標値です。SLAの項目について記載することが想定されますが、すべてを網羅する必要はありません。項目が多すぎると、重要な目標を見落としてしまう可能性があります。
万が一問題が発生したときやサービス内容の見直しを行う際に、課題発見が難しくなる恐れがあります。利用者にとって重要なことを優先的に設定し、高い基準を設ければ、SLOの有効性が高まるでしょう。
SLOはサービス提供側の目標なので、複雑・曖昧な内容だと作業に支障が出ます。せっかく目標を設定しても、事業者間で理解できず、内容を共有できなければ意味がありません。
SLOの内容を簡潔かつ明確にすれば、各関係者がそれぞれの役割を着実に果たせます。全員が理解できる内容で作成するのがコツです。
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おすすめの案件を受け取るITサービスでは他にも、SLAやSLOに似た専門用語が数多く存在します。ここでは、よく使われる用語を紹介します。
SLI(Service Level Indicator)は「サービスレベル指標」です。サービスの稼働状況を数字で表します。SLOを達成しているかどうかを測定する指標として使われるのが特徴です。
可用性はもちろん、エラー比率や処理可能なデータ量などを定期的に測定し、サービス品質をチェックします。SLIを設定すれば、問題が発生した箇所や改善策が分かるのがポイント。SLOとSLIはセットで設定するのが得策です。
SLM(Service Level Management)は、「サービスレベル管理」という意味です。利用者に提供するサービス内容や品質を維持・管理し、システムの問題点なども把握します。
また、SLAが遵守されているかを監視・更新する役割もあります。SLM項目を自分で管理するのは業務量が膨大で困難です。SLMツールを使用すると業務効率が上がり、ミスも減らせるでしょう。
OLA(Operational Level Agreement)は、「運用レベル合意書」もしくは「運用レベル契約」と訳されます。
SLAがサービス提供側と利用者間の契約なのに対し、OLAは組織の内部で交わす契約です。サービスに焦点を当てるSLAとは異なり、メンテナンスや性能・品質・水準など、技術的な部分での合意が含まれます。
IT環境が複雑化する今日では、複数の組織がチームになってサービスを作る必要があります。SLAとOLAを統合して使用するのが、より良いサービスを提供するカギとなるでしょう。
RTO(Recovery Time Objective)は「目標復旧時間」という意味で、いつまでにトラブルから復旧するかを示す指標です。システムの特徴や規模に応じて設定しなければなりません。
たとえば、RTOを1日と設定したら、1日以内の復旧を目標とします。RTOが短すぎると早急に復旧するシステムを使用する必要があり、コストがかかるでしょう。逆に長すぎると、システム停止時間が多くなり、損失が増える可能性もあります。
どの程度までシステムが停止する時間が許容されるか・コストをかけられるかを考慮して設定する必要があります。
RPO(Recovery Point Objective)は「目標復旧地点」を意味します。万が一トラブルが発生したとき、どの程度まで復旧させるのかを示す指標です。RTOと類似していますが、「時間」か「地点」かの違いがあります。
RPOを1日と設定したら、トラブルが発生した日の1日前までデータの状態を戻します。
しかし、常にデータを更新しているシステムの場合、1日だとデータ損失が膨大になってしまいます。
逆に、データ更新の頻度が低いシステムでは、RPOを長く設定しても問題ありません。ただし、常にバックアップ作業が必要になります。RPOはデータの更新頻度に応じて長さを設定するのが大切です。
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おすすめの案件を受け取るITサービスを提供するにあたって重要なSLAとSLOについて解説しました。SLOは具体的にどの程度の可用性を目標とするか、SLAは目標を達成できない場合にどのようにするかを示す点で異なります。
利用者や事業者を守り、万が一のトラブルに備えるためにも、SLAとSLOはしっかり設定するのが得策です。誰もが安心できるサービスの提供を目指しましょう。
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