スクラムマスターの資格はいらない？取得するメリット・認定3種類を解説

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この記事のまとめ

• スクラムマスターの資格は必須ではないが、取得することでフリーランスとしての市場価値を高めることができ、高単価案件獲得の可能性が広がる
• スクラムマスターの資格にはCSM®、RSM、PSMの3種類があり、それぞれ費用や有効期限、研修内容が異なるため自分に合ったものを選ぶ必要がある
• 資格取得の勉強方法としては、書籍や資料を読み込む、演習問題を解く、勉強会や研修に参加するなど様々な方法がある

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スクラムマスターの資格はなくても業務に従事できます。しかし、フリーランスの中には、アピールのために資格取得を検討している方もいるでしょう。そこで本記事では、スクラムマスターの資格を取得するメリットや、3種類ある資格を選ぶポイントなどを紹介します。資格の概要や勉強方法も解説するので、取得に関心がある方はぜひチェックしてみてください。

スクラムマスターの資格を得るメリット

スクラムマスターの資格は、取得していなくてもスクラム開発に従事できます。スクラムマスターの資格を得るメリットはあるのか、疑問に思う方もいるでしょう。その疑問を解決するために、フリーランスが資格を取るメリットを3つ紹介します。

スクラムの正しいフレームワークが理解できる

スクラムマスターの資格を取得するための研修や勉強を通して、正しいフレームワークを理解できるのがメリットです。スクラムマスターの資格では研修の受講が必須、もしくは推奨されています。研修は実践形式のため、スクラムの正しいフレームワークを理解できるのが特徴です。

開発経験の有無を問わず、正しいスクラムなのか疑問に感じながら取り組んでいた方は取得をおすすめします。

個人の市場価値を高められる

スクラムマスターに合格すると知識の証明になり、今までより高度かつ高単価の案件を受注できる可能性があります。また、試験勉強や研修を通して、不足している知識や自分の強みが分かり、スキルアップできるのもメリットです。

上位資格にも受かれば、更なるアピール材料になります。クライアントも安心して業務を依頼できるでしょう。

市場価値を高めたいという方は、｢エンジニアの単価｜計算方法や相場、市場価値の高い人材になる方法を解説｣の記事もおすすめです｡

スクラムのパフォーマンスが上がる

資格を取得して正しいスクラムの知識を身につければ、メンバーとのコミュニケーションが円滑になり、作業効率が上がるでしょう。

フリーランスは所属が異なる人とチームを組むことがあります。リモートで働く場合もあるため、間違ったスクラムでは作業時間が増えたり、ミスコミュニケーションが発生したりする可能性も。正しいスクラムを理解して業務を進められれば、現場で重宝されるでしょう。

スクラムマスターの資格を選ぶポイント

スクラムマスターの資格は3種類あります。どの資格を選べば良いか分からない方も多いでしょう。そこで、資格を選ぶポイントを解説します。

実践で活かせるスキルや知識が身につくか

スクラムマスターの資格は、スクラム開発の知識があることを示す手段の一つ。研修や受験勉強で学んだ知識は、実務で使えるのが理想です。獲得した知識が実践でどのように役立つか、実際に資格を取った方のブログや口コミなどから情報収集して資格を選ぶのをおすすめします。

資格取得の条件が自分に適しているか

3種類の資格は、それぞれ研修の有無や日数、費用などが異なります。自分に合った条件の資格を選びましょう。たとえば、以下のような条件です。

• 受験に研修の受講が必須なのか
• 希望する時期に研修や試験が受けられるか
• 研修期間中は業務を休めるか
• 費用がいくらかかるか
• 更新の必要性と更新費用はいくらか

研修拠点が海外だと、日本語での実施件数が少ない傾向にあります。希望する時期に日本語の研修が受けられるかも確認してください。

【スクラムマスターの資格①】認定スクラムマスター® （CSM® ）

1つ目の資格は、「認定スクラムマスター®（CSM® ）」です。資格の概要や費用・有効期限・資格取得までの流れに加え、認定スクラムマスター®を選ぶメリットも解説します。

認定スクラムマスター®の概要

認定スクラムマスター®は、アメリカフロリダ州に本拠地を置くScrum Alliance社の認定資格です。英語でCertified ScrumMaster®と表記し、CSMと省略されます。研修は5日ほど要し、基本的なスクラムの知識や、現場での実践方法をグループワーク形式で学びます。

外国人講師の場合は日本語通訳がいるため、英語に自信がない方でも安心して受講可能です。研修の受講姿勢も含めて受験資格の付与が判断されるため、真剣に取り組みましょう。

資格取得の費用・合格ライン・有効期限

｜：------｜：----------------------------------------｜
｜費用　　　｜3,200ドル（130円換算で41万円程度）｜
｜合格ライン｜制限時間は60分。50問中37問正解で合格。合格率の公開はありません｜
｜有効期限　｜2年間有効。更新するにはScrum Allianceが提供する独自の教育コンテンツ、Scrum Education Units（SEU）をこなし、所定の更新料を支払う必要があります。認定スクラムマスター®の更新に必要なSEUは20。更新料100ドルです。【2023年3月29日時点】｜

資格取得の流れ

資格取得には、まずWebサイトから研修を探して申し込んでください。研修はオンライン開催が多い傾向です。次に、申し込んだ研修を受講してください。5日間にわたって実施されます。研修終了後に受験資格付与の連絡が来たら、テストを受験しましょう。

認定スクラムマスター®を選ぶメリット

認定スクラムマスター®には上位資格もあるため、専門性を高めたい方に向いています。上位資格は「上級認定スクラムマスター℠」と「認定スクラム プロフェッショナル®スクラムマスター」の2種類です。実務経験1年以上、2年以上ごとに上位資格が受験できます。

他の2種類の資格と比べ、最も認定団体の歴史が古い資格です。実績も知名度もあるため、一般的に認知度のある資格を求める方にも向くでしょう。

【スクラムマスターの資格②】認定資格スクラムマスター（RSM）

スクラムマスター資格の2つ目は、「認定資格スクラムマスター（RSM）」です。資格の概要や費用・有効期限・取得までの流れに加え、認定資格スクラムマスターを選ぶメリットも解説します。

認定資格スクラムマスターの概要

認定資格スクラムマスターはScrum Inc. Japanが提供する認定資格です。Registered Scrum Master® Trainingと英訳され、RSMと省略されます。研修は2日間にわたって開催され、オンラインと対面どちらも選択可能です。スクラム未経験でも受験できるため、初心者の方でも気軽に挑戦できます。

資格取得の費用・合格ライン・有効期限

｜：------｜：----------------------------------------｜
｜費用　　　｜22万円（税込）｜
｜合格ライン｜掲載なし｜
｜有効期限　｜1年間有効。更新には資格試験に合格する必要があります。受験費用は50ドルです。1回まで無料で再受講が可能です。【2023年3月29日時点】｜

資格取得の流れ

まずは、Webサイトから受講したい研修に申し込みます。次に、研修を2日間受講してください。研修終了後に認定資格受験サイトが教えられます。Webサイトにアクセスし、受験者情報と教えられたコードを入力しアカウントを作成してください。研修終了から30日以内に認定試験を受け、合格すれば資格が取得できます。

認定資格スクラムマスターを選ぶメリット

短い期間で研修を受講できるのが嬉しいポイントです。日本法人があり、日本人講師に教えてもらえるのもメリットだといえます。また、対面で受講したい方にも認定資格スクラムマスターが適しているでしょう。

【スクラムマスターの資格③】プロフェッショナル スクラム マスター™（PSM）

3つ目の資格は、「プロフェッショナル スクラム マスター™（PSM）」です。資格の概要や費用・有効期限・資格取得までの流れに加え、プロフェッショナル スクラム マスター™を選ぶメリットも解説します。

プロフェッショナル スクラム マスター™の概要

プロフェッショナル スクラム マスターはScrum.orgが提供する資格です。英語でThe Professional Scrum Masterと表記され、PSMと省略されます。研修の受講は必須ではなく、試験だけ受けることも可能です。

研修は2日間実施され、スクラムの基礎的な理論やプロセス、スクラムマスターの役割が学べます。スクラム未経験でも受験可能です。日本語が話せる外国人講師に教えてもらえるため、英語に自信がない方も問題なく受講できるでしょう。試験はGoogleの翻訳プラグインを使用し、日本語で受験可能です。

資格取得の費用・合格ライン・有効期限

｜：------｜：----------------------------------------｜
｜費用　　　｜研修と受験費用22万円・受験費用150ドル【2023年3月29日時点】｜
｜合格ライン｜制限時間60分、80問出題85％以上の正解で合格｜
｜有効期限　｜有効期限なし｜

資格取得の流れ

まずは、Webサイトへアクセスしてください。研修を受講する場合は、「Training」から「Professional Scrum Master」を選択し、希望の研修に申し込みましょう。次に、研修を受講してパスワードを受け取り、所定のサイトにアクセスして受験してください。

試験を直接受験する場合、「Certifications」から「Professional Scrum Master」を選択。「Professional Scrum Master I」を選びましょう。最後に、「Buy」から「PSM I Assessment」を購入するとパスワードが届きます。受験サイトにアクセスして合格できれば、資格が取得できます。

プロフェッショナル スクラム マスター™を選ぶメリット

研修を受講しなくても受験できるため、最短日数で受験できるのがメリットです。また、認定資格に有効期限がないため、更新する手間も費用もかかりません。

上位資格には、「プロフェッショナル スクラム マスター II（PSM Ⅱ）」と「プロフェッショナル スクラム マスター III（PSM III）」があります。専門性を高めたい方にもプロフェッショナル スクラム マスター™の資格は有益でしょう。

スクラムマスター資格の勉強方法

学習期間1ヶ月半でスクラムマスター資格に合格した方もいます。これから取得を目指す方は、どのような勉強方法が効率的なのか気になるでしょう。3つの勉強方法を紹介するので、受験勉強に活かしてください。

資料・関連書籍を読む

開発経験が浅い方、全く知識が無い方は、資料や書籍から学ぶのがおすすめです。基礎的な用語や原理、スクラムマスターの役割など、試験に必要な内容の全体像が学べます。

全体像を学ぶには、「SCRUM BOOT CAMP THE BOOK」という書籍を利用すると良いでしょう。「スクラムガイド」もあわせて読み、スクラム開発の概念を理解できるよう努めてください。

演習問題を解く

スクラム開発の概要や全体像が理解できた後は、試験に備えて問題を解く練習をします。演習はScrum.orgが無料で提供している「Scrum Open」がおすすめです。会員登録も不要なので、すぐに取り組めるでしょう。

Udemyの「Professional Scrum Master certification Practice Tests PSM1」もおすすめです。どちらも英語の問題なので、苦手な方は翻訳ツールを使いながら解きましょう。分からなくても調べながら問題を解けば、理解度も深まります。

勉強会・研修に参加する

文章で読むよりも、実際に業務に携わっている方から実例を元に教えてもらったり、ワークショップを経験したりした方が理解も深まります。機会があれば公開イベントに参加したり、オンラインクラスを受講したりしましょう。

1人で勉強するのも大切ですが、ときには行き詰まることもあります。一緒に取り組み、相談できる仲間がいれば、モチベーションも維持できるでしょう。

まとめ

スクラムマスターは、対策すればスクラム未経験の方でも合格できる可能性が十分にあります。本記事を参考に自分に適したスクラムマスター資格を選び、今後のフリーランスとしての活躍に役立ててください。