初心者にもよくわかる！JavaScriptフレームワークの種類や特徴を紹介

---

この記事のまとめ

• JavaScriptフレームワークはWebサイトやWebアプリケーション開発を効率化するが､深い知識がないと応用が難しい側面もある
• ReactやVue.js､Svelteなど､人気が高いフレームワークがいくつか存在する
• JavaScriptフレームワークのスキルは多くの案件で求められており､習得することで参画できる案件の幅が広がる

---

ITエンジニアとして長く活躍したいのであれば、フリーランスも視野に入れた新しいスキルや知識の習得が欠かせません。そこで、これから学ぶスキルとして適しているのがJavaScriptです。

JavaScriptには優秀なフレームワークやプラットフォームがあり、今後も需要の増加が期待できます。本記事では、そんなJavaScriptの開発シーンに欠かせないフレームワークを見ていきましょう。

JavaScriptとは

まずJavaScriptについて簡単に説明します。JavaScriptはWebブラウザ上でプログラムを動かし、WebサイトやWebアプリケーションをより便利かつ分かりやすくするための言語です。

クリックするとポップアップが出たり、リアルタイムで画面が変化したりするのは、もはや当たり前の便利な動作だと思う人もいるでしょう。そうした動作の多くに、JavaScriptが使われていると考えられます。JavaScriptは、WebサイトやWebアプリケーションに欠かせない言語となっています。

JavaScriptの仕事について詳しく知りたいという方は､｢JavaScriptエンジニアの仕事内容は？平均年収や必要スキルも紹介｣の記事もおすすめです｡

JavaScriptフレームワークとは

フレームワークは骨組みや枠組みといった意味を持つ大きなコード群の集まりであり、開発をよりスピーディーかつ便利にする役割を持っています。

活用シーンが多いJavaScriptだからこそ、各開発現場で同じようなプログラムを使い回したいということが多々あります。そんなときに重宝されるのがフレームワークです。

とはいえ、JavaScriptのフレームワークの種類は豊富です。どれを選べば良いのか迷ったり効率的な活用方法が分からなかったりする人も少なくありません。

フレームワークとライブラリの違いを理解しておこう

フレームワークと混同しがちなものにライブラリがあります。ライブラリは必要なプログラムを組むためのコードがたくさん入っている道具箱、またはフォルダといった意味を持ちます。

形が決まっていて柔軟性の低いフレームワークに比べ、ライブラリは必要なものを必要なだけを選んで利用し、新たに組み立てながら開発を行えます。フレームワークもライブラリも効率的な開発には欠かせないため、必要に応じてうまく使っていきましょう。

一般的に、高いシェアを誇るフレームワークやライブラリのほうが、低いシェアのものよりメリットが多い傾向にあります。利用者が多いほど活用事例やサポートも増え、トレンドが押さえられていることが理由として挙げられます。

フレームワークとライブラリの違いについては｢フレームワークとライブラリの違いを解説！意味とメリットもあわせて紹介｣の記事でも詳しく解説しています｡

JavaScriptフレームワーク利用のメリット

ここでは、JavaScriptフレームワークを活用する際のメリットを説明します。

工数や開発期間を短縮できる

開発を行う際にフレームワークを使えば、目的とするWebサイトやWebアプリケーションに必要な機能を、ゼロから開発することなくすぐに取り入れることができます。

フレームワークに含まれているのはライブラリやAPIなどですが、これらをすべて自身で探して、なおかつ最初から記述していくとなると開発期間が長くなりがちです。

すでにひな形ができていれば、必要な部分にコードを入れるだけで完成させられるため、作業がかなり効率化できるでしょう。クライアントにとって工数や開発期間の削減は、競合に差をつけたりコストを抑えたりするうえで重要なポイントとなります。

Webサイト・Webアプリケーションの開発は、トレンドの移り変わりの早さを考慮しなければならず、競争も厳しくなる傾向にあります。その分、望み通りのものをより早く完成させることができるエンジニアは重宝されるでしょう。

記述精度の向上につながる

JavaScriptでの開発に限ったことではありませんが、案件では数人でチームを組み、作業を行うことも珍しくありません。その際にどうしても発生してしまうのが、統一感のない記述によるバグの見過ごしとメンテナンスの手間です。

フレームワークを使えば記述のばらつきを減らせるため、チェックやメンテナンスを効率的に行えます。結果的に時短になり、すべてのコストを抑えることができます。

また、安定した動作のWebサイトおよびWebアプリケーションを開発できるエンジニアは信頼が高まり、次の仕事につながることも考えられます。

JavaScriptフレームワーク利用のデメリット

一方、 JavaScriptフレームワークには次のようなデメリットもあります。

便利な反面、知識がないと応用しにくい

まず挙げられるのは、フレームワークがあらかじめ作られた枠組みであるため、使いこなすためには学習が必要であるということです。

多くのフレームワークが初心者でも簡単に使えるよう配慮されていますが、知識が少なければ、ほんの少しオリジナルな要素を取り入れるだけでも難しく感じるでしょう。

また、案件によって使われるフレームワークが異なることも多いため、案件を継続的に獲得していくには複数のフレームワークの使い方を学ぶ必要があります。

自身の技術向上を妨げる場合も

フレームワークはその便利さから、今やJavaScript開発案件の多くがフレームワーク活用を前提としています。

もちろん多様なフレームワークを身につけて案件をこなしていくことも可能ですが、その場合はJavaScriptの深い知識が身につかない可能性もあります。

実務経験が増えてくると、求められる開発レベルは高くなってきます。そうなると必要なのは、フレームワークを応用したり、フレームワークを使わない開発であったりします。フレームワークを効果的に活用はしても、頼り切ってしまうことはないようにしましょう。

JavaScriptフレームワークの種類と最新のランキング

JavaScriptはWebサイト開発で以前から使われてきた言語です。しかし、動作が重くなったりセキュリティ面での懸念があったりとさまざまな問題が浮上したため、下火になった時期もありました。

2005年に登場したAjax（ブラウザ上で部分的に情報更新ができる技術）、それを活用したGoogle Mapの躍進により、JavaScriptへ再び注目が集まることになります。

少し前までは幅広い機能を持つライブラリのjQueryが人気を集めていましたが、現在はjQuery以外のライブラリやフレームワークにも注目が集まっています。

ここでは、人気が高いとされるJavaScriptフレームワークを5つ紹介します。

フレームワークの特徴として、人気の高いものほど世の中のトレンドに合っていて使いやすいという傾向があります。これからJavaScriptフレームワークに挑戦するのであれば、ユーザーが多いものから触ってみると良いでしょう。

React

ここ数年はずっと人気が高く、もはやJavaScriptの定番ともいえるのがReactです。ただし、こちらはフレームワークではなくライブラリの位置づけとなり、jQueryと比較されることも多くあります。

Reactは2015年にFacebookから登場したライブラリで、機能を小さなまとまりとして扱うコンポーネント指向が特徴です。幅広い開発に活用しやすいため、Reactの経験を求めるJavaScript案件は多い傾向にあります。

Reactについては｢Next.jsとReactの違いは？特徴やできること、選ぶ基準を解説｣の記事でも詳しく解説しています｡

Vue.js

Vue.jsも、JavaScriptフレームワークの中で人気が高いもののひとつです。軽量かつ高速で、HTMLと記述が似ているため学習コストが低いというメリットがあります。

小規模から大規模まで対応できる案件が広く、多くのエンジニアから支持を得ています。

Svelte

2016年に登場したSvelteは、JavaScriptフレームワークの中でも高い人気を誇るReactやVue.jsの対抗馬的存在といわれるフレームワークです。

仮想DOMという無駄のない処理を行う機能が備わっており、他のフレームワークよりも高速で動作するのがメリットとなります。

今後さらに注目の高まりが予想されるフレームワークですが、現在はまだ日本語サポートが充実していない状況です。すべての人にとって学びやすい環境が整っていない点がデメリットであるといえます。

Angular

AngularもReactと同じく、数年前まで多くの人気を集めていたJavaScriptフレームワークです。

このフレームワークひとつあればWebアプリケーション開発のほぼすべてを行うことができるフルスタックタイプであり、効率よく作業を進めることができます。

開発元はGoogleであり、信頼感が強いことも人気の理由のひとつであるといえるでしょう。他のフレームワークを試したけれどやはりAngularを使う、という人も多いようです。

ここまで人気の高いフレームワークを紹介しましたが、2020年あたりからはSolidやLitなど新しいものにも注目が集まっています。JavaScriptフレームワークのトレンドは移り変わりが早いため、こまめに情報をチェックしておきましょう。

JavaScriptフレームワークの選び方

フレームワークはそれぞれに特徴を持っています。開発の目的や規模、方法などに合わせて最適なものを選べば、開発速度向上や後のメンテナンス負担軽減などが期待できます。

JavaScriptはトレンドが急速に変わりやすい言語であるため、フレームワークも同様にトレンドを意識しておく必要があります。jQueryのように広く長く使われ続けるものもありますが、あまり活用シーンがないフレームワークに関しては、案件が少ないものもあるでしょう。

これから身につけていくなら、機能や記述ルール、向いている開発がトレンドに合っているかどうかを見極めましょう。または、学習コストは高いけれど将来性のあるものかどうかをしっかりと判断することが大切です。

JavaScriptフレームワークを使うべき段階、使わないほうが良い段階

フレームワークは、導入するだけで誰でも簡単にクオリティの高いWebサイトおよびWebアプリケーションを作ることができます。

ただし、エンジニアのレベルや関わる開発の状況によって、JavaScriptフレームワークをしっかりと選んだり、逆に使わないほうがよかったりする場合もあります。

新規での開発・実務経験ありのエンジニアはフレームワークを活用しよう

Web開発のシーンでは、新たなものを作り出す開発のほかに、既存のサービスに追加要素を加えるといった業務もあります。

フレームワークは枠組みや土台といったものであるため、導入するのであれば新しい開発に対してのほうがスムーズでしょう。

ただし、それぞれのフレームワークによって特徴が違うため、ライブラリ要素が強いものであれば、追加導入でも活用しやすい場合もあります。

また、実務経験がありJavaScriptに関する知識や技術が豊富なエンジニアであれば、フレームワークに頼り切ってしまうこともないため活用すると良いでしょう。効率的に開発を進めることができます。

追加導入・実務経験の少ないエンジニアは慎重に

前述したように、開発のタイプや状況によってはフレームワークの導入がかえってデメリットになってしまう場合もあります。

あるフレームワークを使って開発されたWebサイトやWebアプリケーションにさらに別のフレームワークを足すことで、分かりにくくなったり機能が重複したりする可能性があるからです。

また、実務経験の少ないエンジニアがフレームワークを多用すると、デメリットの部分で説明したように自身の知識やスキルが向上しにくくなる可能性もあります。

開発案件も自身のスキルも、先を見据えて本当に効率化につながるか、またはメリットが大きいかを考えて導入する必要があるでしょう。

JavaScriptフレームワークの学習難易度

プログラミング言語におけるフレームワークは、一般的に学習コストはあまり高くないといわれています。もちろん、これは言語や各フレームワークによる違いがあるため一概にはいえません。

JavaScriptフレームワークも個別に見れば学習難易度の低いものはありますが、全体としていえば比較的「高い」と考えておくほうが良いでしょう。

その理由として挙げられるのは、JavaScript自体がトレンドの移り変わりが早い言語であることです。開発に求められる条件もフレームワークのタイプも数年で大きく変化するため、情報量は年々増えていく傾向にあります。

初心者であれば、フレームワークを使わないほうが簡単に開発を行える可能性も考えられます。

ただし、チームでの開発やフリーランス案件では、JavaScriptフレームワークを使った開発経験が求められることはよくあります。幅広い案件に参画しようと思ったらJavaScriptフレームワークの知識とスキルは必須になるでしょう。

JavaScriptフレームワークのスキルが求められる案件例

ITエンジニア、クリエイター向けのフリーランス案件案内サイト「フリーランスhub」を見ると、2024年9月時点で36,200件前後のJavaScript案件を見つけることができます。

多くの案件が何らかのJavaScriptフレームワーク経験を条件とします。フリーランスJavaScriptエンジニアとしての活動を視野に入れるなら、もはやフレームワークスキルは必須であるといえるでしょう。

案件の例としては、Vue.jsを必要とする保険業界向けフロントエンド開発やReactを必要とする業務活用API開発などがあります。また、フレームワークではありませんが、実行環境であるNode.jsを用いた開発経験を求められる案件もあります。

PHPやJavaなどの言語、それに関連するフレームワークも使えれば参画できる案件が増えるでしょう。実務経験を積む段階で、少しずつ他の言語やそれに関するフレームワークも学んでいくことが大切です。

また､｢案件獲得できるフリーランスになる方法とは？営業スキルの重要性も解説｣の記事では案件獲得のコツについて紹介しています。

JavaScriptフレームワークは人気の高いものから選ぼう

トレンドの移り変わりが早いJavaScriptフレームワークをこれから学ぶのであれば、まずは人気が高いもの、現在まで多く利用されているものを選ぶのがポイントです。

利用者が多いフレームワークは実績が豊富で信頼性も高いため、案件数も多い傾向にあります。より多くの案件に参画し、JavaScriptエンジニアとしての実力を高めていきましょう。