VBA資格は必要？VBAエキスパートの試験の種類や勉強方法を解説

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この記事のまとめ

• VBAエキスパートは、Excel VBAとAccess VBAがあり、それぞれベーシックとスタンダードの2つのレベルがある
• VBA資格は、実務力向上や案件獲得に有利になる一方、「Excelが得意なだけ」とみなされたり、資格がなくてもアピールできる場合もある
• VBAは将来性のあるスキルであり、VBAと相乗効果が期待できる他のプログラム言語を習得することで市場価値を高めることができる

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VBAは、Microsoft Officeのマクロにおけるプログラミング言語です。VBAの実力を示す資格に、「VBAエキスパート」があります。「VBAエキスパート」は「Excel」と「Access」に分かれており、それぞれ「ベーシック」と「スタンダード」があります。この記事では「VBAエキスパート」を取得するメリットや勉強方法、VBAの将来性について解説します。

VBAはマクロにおけるプログラミング言語

「Virtual Basic for Application」を略したVBAは、Microsoft Officeで使用するプログラミング言語です。Excelのマクロ操作を実装し、繰り返し処理や条件式を記述できる実用性があります。

多くの組織において、業務効率化は避けては通れない問題です。VBAは作業の自動化によって会社が抱える課題を解決します。効率化に欠かせないプログラミング言語だといえるでしょう。

VBAの実力を示す資格「VBAエキスパート」とは

VBAエキスパートはVBAのスキルを証明する資格で、株式会社オデッセイコミュニケーションズが認定します。ExcelとAccessの2種類があり、それぞれベーシックとスタンダードに分かれるのが特徴です。

（初級）Excel VBA ベーシック

「Excel VBA ベーシック」は、ビジネスパーソンや一般向けの初級資格です。ExcelVBAにおける基礎的なマクロの読解力、また記述能力が問われます。

合格にはマクロの基本概念やVBAの基礎文法、変数や関数などの知識が必要です。問題数は40問で試験時間は50分、受験料は税込13,200円です（2023年9月現在）。

（上級）Excel VBA スタンダード

「Excel VBA スタンダード」は、ITプロフェッショナル向けの上級資格です。「Excel VBA ベーシック」より難易度が上がり、高度なマクロの読解力や記述能力が問われます。変数の活用やファイル操作、テーブル操作といった応用知識が必要です。

ベーシックと同じく、問題数は40問で試験時間は50分です。受験料はベーシックよりも高く、税込14,850円となっています（2023年9月現在）。

（初級）Access VBA ベーシック

「Access VBA ベーシック」は、ビジネスパーソンや一般向けの初級資格です。Excelに比べると合格率が低く、難易度は高いといえます。

試験ではAccess VBAの基本やデータベースの基礎知識、SQLへの理解力などが問われます。合格にはVBAに加え、データベースの基本や変数・関数、デバッグなどの知識が必要です。

問題数は40問で試験時間は50分、受験料は「Excel VBA ベーシック」と同じく税込13,200円です（2023年9月現在）。

（上級）Access VBA スタンダード

「Access VBA スタンダード」はベーシックの範囲に加え、より高度なプログラムを読解し記述する能力を測る資格です。「Excel VBA スタンダード」と同様、ITプロフェッショナル向けの上級資格だといえるでしょう。

変数や配列、ユーザー定義型、DAOによるデータベースの操作、応用プログラミングなどさまざまな応用スキルが必要です。問題数は40問で試験時間は60分、受験料は税込14,850円となっています（2023年9月現在）。

VBA資格を取得する意味はない？

VBAは主に会社組織で需要があるスキルです。しかし、世間ではVBA資格に対して「取得しても意味ない」など否定的な意見も見られます。ここでは、否定的な意見が出る理由を紹介します。

「Excelが得意なだけ」とみなされる

Excelは多くの人が日常的に利用している表計算ソフトの代表格です。企業活動を含めExcelは社会の隅々にまで浸透しているので、「誰でも使えるソフト」だと思う人もいます。

そのため、VBA能力を上司にアピールしても「Excelスキルの延長でしかない」「Excelを使えるだけの人材」とみなされる可能性があります。

資格がなくてもアピールできる

VBAは資格を持たない人でも日々の仕事で活用でき、成果を出せるスキルです。スキルを積極的にアピールすれば、資格取得者と同じだけのメリットを享受できる可能性があります。

ここ数年、Microsoft Office製品と同等の機能を搭載したソフトが増えました。それに伴うMicrosoft Officeのシェア低下も、資格の価値が下がる一因になっていると考えられます。

VBAエキスパートを取得するメリット

VBA資格を取得するメリットを紹介します。VBAは数あるプログラミング言語の中でも、初心者が学習しやすい言語です。関心があるなら、資格取得を前向きに検討してみましょう。

試験対策が実務力に直結する

事務作業において、Microsoft Officeソフトは未だ欠かせないツールです。ExcelやAccessなどのソフトを活用できるVBAスキルは仕事の実務力に直結します。

「VBAエキスパート」の試験対策自体がMicrosoft Officeのスキルアップのきっかけになり、実務力向上につながるでしょう。VBAを活用して事務作業を自動化すれば、会社の生産性が飛躍的に上がります。あなたの人材としての価値も高まるでしょう。

案件獲得時にアピールできる

「VBAエキスパート」資格はスキルの証明になるので、案件獲得時に有利に働く可能性があります。VBAスキルを持つ人材が乏しい会社は、業務の外注も検討しなければなりません。会社からすると、「VBAエキスパート」を取得している人は魅力的な人材に見えるでしょう。

資格取得に向けての勉強方法と時間

「VBAエキスパート」は独学でも比較的受かりやすい資格だとされます。試験対策にかかる勉強時間はベーシックで25時間ほどです。ここでは、資格取得におすすめの勉強方法を紹介します。

公式テキストで勉強する

「VBAエキスパート」は、株式会社オデッセイコミュニケーションズから公式テキストが販売されています。資格取得を目指す場合、まずは公式テキストを熟読しましょう。繰り返し読み、理解できるまで学習を続けます。

公式テキストで最低限の基礎知識を習得したら、次は問題集に挑戦してください。不正解だった箇所は、もう一度公式テキストを見返して確認します。

入門ガイドブックで基礎知識を固める

どうしても理解できない箇所があれば、別途販売されているVBA資格取得のための入門ガイドブックで基礎を固めます。それでも理解が難しい場合は、専門の講座受講やスクールへの入学を検討しましょう。

VBAエキスパートの難易度は？

「VBAエキスパート」の合格率は非公開なので、難易度は明確ではありません。Microsoft Officeの代表的資格にマイクロソフトオフィススペシャリスト（MOS）がありますが、「VBAエキスパート」の難易度はより高いといわれています。

MOSの合格率は一般の「スペシャリスト」で約80％、上級の「エキスパート」で約60％です。つまり、「VBAエキスパート」の合格率は60％未満だと考えられます。確実な合格を目指すなら80％以上の正答率を目指しましょう。

VBAの将来性は？

競合ソフトが台頭しているとはいえ、ExcelをはじめとしたMicrosoft Officeを導入している会社は多いと考えられます。VBAは将来性の高い言語だといえるでしょう。

市場としては狭いが需要は拡大

現在、多くの会社は慢性的な人手不足に陥っており、それを補うために作業の自動化を進めています。VBAスキルを持つ優秀な人材がいれば、新規システムのスムーズな開発が可能です。自動化ができていない、もしくは遅れている会社ではVBAスキルは重宝されるでしょう。

他の言語を習得する

これからの開発現場では、スキルを1つ持っているだけでは通用しなくなるでしょう。VBAだけでなく、VBAと相乗効果が期待できる他のプログラム言語を習得するのが大切です。

1つの能力だけに頼らず、多様な状況で活用できる言語スキルを身につけましょう。自分にしかない強烈な強みを持てば、他の人材との差別化が図れます。

まとめ

「VBAエキスパート」はVBAのスキルを証明する唯一の資格です。「VBAエキスパートの資格を取っても意味がない」といった意見もありますが、取得によるメリットは少なくありません。

ビジネスキャリアを歩む上で「VBAエキスパート」の資格は大いに役立ちます。「VBAエキスパート」取得だけを目標にするのではなく、合格後を見据えたキャリア形成を考えましょう。