HTMLのフレームワーク｜活用のメリットや選び方も紹介

Webサイトを作るとき、高品質なWebサイトをできる限り少ない工数で作成するためにフレームワークが活用されます。多種多様なフレームワークの中から作成したいWebサイトの機能に合うものを選べば、作業効率や保守性の向上が見込めるでしょう。

本記事では、HTMLやCSSのおすすめフレームワークを紹介します。利用するメリットや選び方、注意点も解説するので、ぜひお読みください。

Webサイト制作にはHTMLとCSSが必要

Webサイトを作り上げるためには、HTMLとCSSが必要です。HTMLはWebページの構造を定義する言語で、骨組みや要素を構築します。CSSはコンテンツを装飾し、Webサイトの見た目・スタイルを決める言語です。

Webページのコンテンツの動作や文字配置などは、HTMLとCSSによって記述されています。Webサイトを作成するには、これらの言語で正しくコーディングする必要があります。

フレームワークとは

Webサイトを1から構築しようとすると、HTMLとCSSを駆使しなければなりません。これは初心者にとって難易度の高い作業です。そこでフレームワークを使えば、質の高いWebサイトを効率良く制作できます。

フレームワークとは、Webサイト用の素材をあらかじめレイアウトした枠組みとして提供するツールです。フレームワークを活用すれば、すでにある枠組みに沿ってコードの追加・修正などを行うだけで理想的なWebサイトができます。

おすすめのHTML・CSSフレームワーク6選

フレームワークには多くの種類があり、強みも異なります。おすすめのフレームワークを6つ紹介するので、それぞれの特徴や魅力を知るための参考にしてください。

Foundation

Foundationは、Yahoo!やFacebookなど、知名度のあるサービスでも選ばれている信頼性の高いフレームワークです。

カスタマイズ性に長けており、プロに採用されるほどの高度な機能を持っています。デバイスへの対応も行われているため、作業の手間がかかりません。高いオリジナリティや機能性を求めているケースにも適しています。

Bootstrap

BootstrapはWebサイトの制作・改善への対応力や一貫性に優れています。世界的にユーザーが多く、利用やトラブルに関する情報を得やすいため、初心者でも使いやすいフレームワークです。

Bootstrapには多くの種類が展開されており、有名なものにはWordpressとの連携が前提のBootstrapWPというサービスもあります。

Base

Baseは最小限のコードで作られており、軽量さが売りのフレームワークです。モバイル端末で利用されたときの使いやすさを重視して提供されています。

動作性に優れているだけでなく、充分な機能性を兼ね備えています。Baseで豊富な無料のテンプレートを活用すれば、操作性の高いWebサイトを手軽に制作可能です。

Semantic UI

Semantic UIは、簡潔なHTMLコードによって作られたものです。フレームワークには読みやすいレイアウトが施されており、直感的な操作が可能な点に魅力があります。

Semantic UIでは、Webサイトを素早く作り上げられます。また、デバッグに備えた機能が備わっている点やUIコンポーネントが充実しているのも強みです。

Skeleton

Skeletonは、軽い動作が魅力のフレームワークです。インストール不要で利用できるため、誰でも手軽にWebサイトを制作できます。

Skeletonは、小規模のプロジェクトを進める際に向いています。すぐにWebサイトの開発を始めたい人、初めてフレームワークを使いたいという人におすすめです。

UIkit

Ukitは、モジュール式を取り入れたフレームワークです。軽量で効率も良く、テンプレートが豊富にあることに魅力があります。

操作は簡単であり、効率的な開発ができます。シンプルな操作でありながらセンスの良いWebサイトをすぐに作れることが、Ukitが提供するフレームワークの強みです。

フレームワークを活用する4つのメリット

Webサイトを作る要素が組み込まれているフレームワークを利用するメリットは、下記の4点です。

• コードを記述する手間が減らせる
• Webサイトのメンテナンスが容易
• レスポンシブデザインに対応できる
• チームでの作業がしやすい

これらのメリットについて解説します。

コードを書く手間が省ける

Webサイトの制作にはコーディングを必要としますが、フレームワークを使えばコードを書く労力が大幅に省けます。

フレームワークには、Webサイトの構築に必要な素材がすでにデザインされた状態で備わっています。そのため、フレームワークにあるテンプレートを選べば、新しくコードを書き連ねる必要はありません。

フレームワークを活用すれば、Webサイトを制作するための作業を簡略化できます。

メンテナンスが簡単

Webサイトの制作にフレームワークを使っていれば、その後の修正やメンテナンスが容易にできます。

Webページがうまく表示されない・Webサイトに不具合が生じることは少なくありません。Webサイト上で何かトラブルが起きたとき、フレームワークの提供元に問い合わせをすれば、簡単に解決する場合もあります。

また、フレームワークを利用していれば、新しいバージョンへのアップデートも簡単に行えます。

レスポンシブ対応が可能

レスポンシブデザインとは、Webサイトの閲覧に使う端末に合わせてレイアウトやサイズ、向きなどを自動的に調整させるものです。

フレームワークの多くはレスポンシブデザインに対応しているため、フレームワークを取り入れていれば特別な知識・操作などは必要ありません。フレームワークを活用すれば、自動的にレスポンシブデザインに対応可能です。

Webサイトを見る手段がスマホやパソコン、タブレットなど多様である今、レスポンシブ対応ができるフレームワークが役立ちます。

チーム内で共通認識がしやすい

Webサイト制作は、複数人で取り組むことが多くあります。フレームワークはWebサイトの構築に必要なものが一式揃っていて、複数人での作業に適しています。

Webサイトを作るためにはコードの記述が不可欠です。ただし、コードの書き方には個人差があります。Webサイトの制作や修正に時間がかかることは少なくありません。

一方、型が決まっているフレームワークを取り入れることで、統一されたルールでコーディングを行えます。そのため、複数人のチームでWebサイトを制作する場合であっても、共通認識がずれることなくスムーズな作業が可能です。

フレームワークを活用するときの注意点

フレームワークにはメリットが多々ある一方で、気をつけなければならない点もあります。主な注意点は下記の3点です。

• 他の会社とデザインが似てしまう
• 使用しないコードも読み込まれてしまう
• 時間、費用がかかってしまう

これらの注意点について解説します。

他の会社と似たデザインになることがある

フレームワークはあらかじめデザインされた素材がテンプレートとして提供されたものであり、他社とデザインが似る可能性を考慮しておかなければなりません。ただし、同じテンプレートを使用する以上、多少似た部分が出てしまうことは仕方がないでしょう。

特に、特徴的なレイアウトや記憶に残りやすい素材で構成されたフレームワークを使うときは、Webサイトのデザインが類似しやすいといえます。

使用しないコードや部品が余ることがある

フレームワークは、使用する素材やパターンの一式が決まっています。そのため、Webサイトで使わない素材やコードであっても、すべて組み込まなければなりません。

Webサイトに取り入れる要素が増えることで、Webページを読み込む速度は遅くなる可能性があります。フレームワークを利用するときは、必要ない素材が含まれないものを選ぶと良いでしょう。

学習のために時間・お金がかかる場合もある

新しくフレームワークを活用する際、利用方法を学ぶための時間や高品質なフレームワークを購入するための費用を要する場合があります。フレームワークのテンプレートは有料・無料、初心者向けのもの、複雑な構成のものなどです。

無料のテンプレートに料金は発生しませんが、グレードが上のプランやより高い品質のテンプレートなどを使いたい場合、購入の必要もあるでしょう。フレームワークを最大限活かすためには、特徴や使い方を理解して適切に使うことが大切です。

自社に合ったフレームワークの選び方

多くの種類があるフレームワークから、自社のWebサイトに合ったものを選ぶときのポイントは以下のとおりです。

• Webサイトの目的、ターゲットを明確にする
• データの容量を確かめる
• 機能、デザインが必要かを見極める

これらのポイントについて詳しく解説します。

制作したいWebサイトの目的・イメージに合わせる

自社のWebサイトに合ったフレームワークを選ぶ際は、Webサイトを作る目的とデザインのイメージを明確にしておきましょう。Webサイトに掲載する内容や伝えたいメッセージ、達成したい目標、配色やフォントなどのイメージを具体的にすることが大切です。

また、Webサイトに呼び込むターゲット像を定めておきましょう。作りたいWebサイトの雰囲気をターゲットの好みやニーズと合致させることで、自社に最適なフレームワークを見つけられます。

フレームワークのデータ容量を確認する

データ容量が大きすぎるフレームワークは避けた方が良いでしょう。容量の大きなフレームワークを使うと、Webページの読み込みに時間がかかります。すると、Webサイトの閲覧に支障をきたす可能性があります。

適切なフレームワークを選ぶために、カスタマイズ性の高さ・機能の豊富さとデータ容量の大きさを確認しましょう。

必要な機能性・レイアウトがあるものを選ぶ

自社に最適なWebサイトを作りたい場合、必要な機能やレイアウトを理解しておくことが重要です。

たとえば、写真・動画のアップロードができるデザイン、Webサイト上で商品を販売できるプログラム、レスポンシブ機能や問い合わせ・バグ対応システムなどです。自社のWebサイトに必要な機能が含まれているフレームワークを選びましょう。

まとめ

フレームワークは、Webサイトを構築する上で必要なHTML・CSSなどの要素をパッケージとして売られているものです。Webサイトの制作を効率化し、作業の負担を減らすメリットがある一方、テンプレートを使うことで発生するデメリットもあります。

フレームワークを選ぶときは、Webサイトを作る目的やデザインのイメージを明確にすることが大切です。自社のWebサイトに必要な機能をみきわめ、最適なフレームワークを選びましょう。