Objective-Cのフリーランス案件・求人一覧

【Objective-Cの概要】 Objective-Cとは、1983年にブラッド・コックス氏とトム・ラブ氏によって開発された、C言語がベースのプログラミング言語です。NeXT Computer社で開発言語として用いられたことで知名度を上げ、2008年からiOSアプリ公式開発言語になりました。現在では、iOSやmacOSなどのアプリケーション開発で使われ、熟練したスキルを持つ開発者にも重宝されています。 しかし、最近ではSwiftが登場したことによる開発環境の移行により、需要の減少が進んでいます。とはいえ、まだまだObjective-Cは多くの開発者に愛用されている人気のプログラミング言語です。 【Objective-Cの特徴】 Objective-Cには、処理速度が速く、ノウハウが蓄積されているという特徴があります。処理速度が速ければ開発がスムーズに進むため、多くの現場・開発者で愛用されます。Objective-Cは、C言語をベースに開発されていることやその独自性と需要の高さから、これまでに作成された知識やデータが豊富です。過去の資産は膨大で、需要が今すぐになくなる可能性は低いでしょう。一方で、Objective-Cには修正が難しく、表記が独特であるという短所もあります。たとえば、クラスの名前の冒頭にNSという接頭辞をつけるというように、C++言語に比べてもわかりにくい表現をします。 【Objective-Cフリーランスエンジニアの参画が可能な案件例】 Objective-Cは、AppleのiOSやmacOSを中心に複数の案件に参画できます。そこでここからは、Objective-Cフリーランスエンジニアの参画が可能な案件の一例を紹介します。 ・iOSアプリの開発／改修 Objective-Cは、Apple製品向けのソフトウェア開発に用いられています。そのため、フリーランスエンジニアの参画が可能な案件の中でも数が豊富と言えるでしょう。しかし、最近では新規の作成ではなく管理や改修の案件が中心になってきています。iOSアプリの開発に関する知識だけではなく、管理や改修に関する知識もあるとより幅広く案件を選べるでしょう。 ・ソーシャルゲーム開発 Objective-Cはゲーム開発に使われることもあります。ソーシャルゲーム開発をしたいという場合も、Objective-Cの習得がおすすめです。ソーシャルゲームに関する案件では、iOSアプリのように管理や改修の案件はほとんどなく、基本的には開発を任せられます。iOSアプリの開発・改修と比較すると案件数は少なめですが、ソーシャルゲーム開発をしたい場合もフリーランスとして活躍しやすいでしょう。 ・POSシステム開発 商品販売用のシステムであるPOSシステム開発の案件もあります。さまざまなものが自動化している中で、POSシステムの需要が高まっているため、Objective-Cに関する案件の中にPOSシステム開発があることも。POSシステム開発の知識や経験がある方はフリーランスエンジニアとして参画可能です。 ・ECサイト開発 Objective-Cを用いたECサイト開発に関わることもできます。ECサイト開発に関する案件としては、具体的には設計・保守などを任せられる傾向です。巣ごもり需要の増加により、自宅から気軽に購入できるECサイトを開設する企業が増えています。場合によっては、大手企業のECサイト開発に携われる可能性もあるでしょう。また企業規模に関係なく、案件数が増加傾向であることから参画しやすい案件と言えます。 ・モバイルSDK モバイルSDKの案件もあります。モバイルSDKとは、クラウドでの転送通知や地理位置情報、分析、ビジネスロジックなど、幅広いプラットフォームモバイルサービスのサポートのことです。具体的には、ソフトウェア開発ツールセットの基本設計から保守までを担当します。 【Objective-Cフリーランスエンジニアの未経験での案件参画に関して】 数は少ないものの、Objective-Cを使った開発経験がなくても未経験で参画できるフリーランス案件もあります。ただし、別の言語や開発現場でのスキル・経験は必要です。たとえば、Swiftを使った開発経験やiOSアプリの開発経験はアピールポイントになります。Object-Cを学習する際の注意点として、Objective-Cは新たなプログラミング言語の登場やAndroidの需要増加に伴い、メインであったiOSアプリの開発案件は減りつつあります。開発に関する知識だけではなく、管理や運用に関する知識も備えておくと案件を問わず活躍できるでしょう。 【Objective-Cフリーランス案件･求人に参画するために必要なスキル】 Objective-Cはまだ需要のあるプログラミング言語とはいえ、古い言語であることから需要は今後減ると見込まれています。また、Objective-Cを使った案件の多くで、XCodeが使われています。そのため、案件に参画するためにはXCodeの使い方を身につけておくとよいでしょう。ほかにも、作業工数の短縮ができるフレームワークに関する知識もあるとアピールポイントになります。アプリではデータベースを通して情報を表示するため、OracleやMySQLなどのスキルもあると有益です。将来的にも長くiOSアプリの開発に携わりたいと考えている場合は、Swiftという言語を学習することがおすすめです。Swiftは、Apple社が開発したオープンソースのプログラミング言語で、2023年現在も最新のリリースが追加されています。元々Swiftで進んでいたプロジェクトが、現在次々とSwiftに移り変わっているため、今後の需要を考えるなら、Swiftを学習するとよいでしょう。 【Objective-Cの習得難易度・勉強方法について】 Objective-Cは、C言語がベースとして作られたプログラミング言語です。C言語を学んでいれば比較的理解しやすく習得難易度が低めなプログラミング言語と言われています。さらにC++も理解していれば学習コストは低く、容易に習得できると考えられるでしょう。一方で、C言語を身につけていない場合やそもそもプログラミング初心者である場合は修得難易度が高めになります。そのため、まずはC言語を習得してからObjective-Cの学習をすると、覚えやすいといえます。Objective-Cの勉強方法は複数ありますが、おすすめの勉強法は書籍や学習サイトの活用です。最近では、Web上にプログラミング言語に関する知識や情報が掲載されているため、学習しやすいサイトを見つけて活用すると良いでしょう。また、資格を目指して勉強すると効率良く習得できます。資格を取得しておくと、未経験でも知識がどの程度あるのかをアピールできるため、案件を探す際にも有利になりやすいです。 【Objective-Cフリーランスエンジニアにおすすめのフレームワーク】 Objective-Cフリーランスエンジニアとして活躍したい場合、以下のようなフレームワークを習得しておくと役に立ちます。 ・Cocoa Cocoaは、目的によって分類されている各フレームワークの総称です。FoundationとAppKitの二層構造であり、二つを合わせてCocoaとされています。CocoaはmacOS用のアプリケーションを構築するためのフレームワークです。macOSのアプリケーション開発案件を受けたい場合は、習得しておくべきフレームワークといえます。また、Cocoa自体は純粋な機能セットであることから、Objective-C実行環境との通信があれば他の言語での使用も可能です。 ・Cocoa Touch Cocoa Touchは、iPhone用プログラミングフレームワークです。macOSアプリ開発に用いるCocoaに比べ、iPhone用プログラミングフレームワークであるCocoTouchの方がコンパクトという特徴があります。Objective-CのFoundationフレームワーク上に、iOSの固有機能をまとめたフレームワークであるUIKitを搭載しており、無償配布されているiPhone SDKから開発できます。 ・Foundation Foundationとは、Cocoaフレームワークの1つです。文字列操作やデータ構造、ファイル入出力などに活用できるフレームワークで、習得しておくと開発に役立ちます。CocoaにFoundationも含まれているため、Cocoaを習得すればFoundationを習得する必要はありませんが、文字列操作やデータ構造、ファイル入出力に関するスキルを取得したい場合は取得をおすすめします。 ・AppKit AppKitも、Cocoaフレームワークの1つです。文字列操作やデータ構造、ファイル入出力に役立つFoundationに対し、AppKitはウィンドウ・ボタン・テキスト入力フィールドなどのグラフィック関連のものに活用できます。ウィンドウ・ボタン・テキスト入力フィールドなどグラフィック関連に特化してスキルを取得したい場合は、AppKitの取得がおすすめです。 【Objective-Cフリーランス案件･求人に参画するために役立つ資格について】 日本ではObjective-Cに特化した資格はないため、以下のような関連する資格の取得がObjective-Cフリーランス案件・求人に参画するために役立ちます。それぞれの資格について詳しく解説します。 ・基本情報技術者試験 基本情報技術者試験は、IPAが実施している国家試験で、知識や技術力のアピールとして有効です。ただし試験の難易度は低くはなく、現役のプログラマーでもなかなか合格しないという人もいます。そのため、十分に勉強して理解を得ておかなければ取得は難しいです。参考として、令和5年度7月の合格率は27.2%です。逆を言えば、難易度が低くはない試験だからこそ知識や技術力を証明しやすく、取得するとフリーランス案件・求人で有利になります。 ・応用情報技術者試験 応用情報技術者試験も、基本情報技術者試験同様IPAが実施している国家試験です。基本情報技術者試験より上位の知識・技術を持つことを示せ、取得しておくとよりフリーランス案件・求人に有利になります。他のエンジニアに頼らずに1人でシステムの設計や開発、運用などができることを証明できる資格です。当然難易度は基本情報技術者試験に比べて高くなるため、十分な知識とスキルを身につけなければなりません。参考として、令和5年度春期の合格率は25.3%です。 ・プロジェクトマネージャ試験 プロジェクトマネージャー試験も、IPAが実施している国家資格です。プロジェクトの責任者として現場を統括しながら、計画や実行、管理する人を対象とした資格であり、取得することでプロジェクトマネージャーとしての知識やスキルがあることを証明できます。プロジェクトマネージャーは、チームを統括する重要な役割であることから、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験よりも上位の試験です。 ・ITサービスマネージャ試験 ITサービスマネージャー試験とは、IPAが実施する国家資格で、ITサービスの提供に関する安全性と信頼性の高いサービスの提供を指揮及び管理する人を対象とした資格です。ITサービスマネージャーの具体的な業務内容としては、情報システムの安定稼働、日々の継続的改善、品質管理、障害発生時の対応などをします。ITサービスマネージャー試験も、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験より上位の試験です。 ・ITストラテジスト試験 ITストラテジスト試験は、IPAが実施している国家資格で、経営とITを結びつけるのに必要な知識を問う資格です。ITを活用した事業戦略の策定、提案、推進までを担う高度IT人材の選抜を行うものであり、基本情報技術者試験・応用情報技術者試験よりも上位の試験です。ITストラテジストとしてだけではなく、プログラミング言語の高度な技術を持っていることの証明として有効であるため、取得をおすすめします。 【Objective-Cの市場動向や将来性について】 Objective-Cはかつては主流でしたが、新たな言語の登場によって世代交代が進んでおり、現在の主流はSwiftです。これによりObjective-Cの新規学習者が減っていますが、既に習得済みのエンジニアの需要はまだまだあります。今後の新規開発はSwiftに移っていくことが見込まれますが、しばらくは管理のためのObjective-C案件は継続されるでしょう。また、SwiftはC言語やObjective-Cと連携し、既存のコードやライブラリを流用できます。Objective-Cの知識は無駄にはならないといえるでしょう。主流となるSwiftの習得もおすすめですが、連携したり管理の案件が得られるObjective-Cの習得もおすすめです。 ※この文章は、2023年7月時点の内容です。