注目のデータサイエンティストとは?フリーランスで高収入を得るために必要な資格と仕事の実態を徹底解説

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この数年、AIやIoT、ビッグデータが広く社会で話題になるとともに、データサイエンティストという職業に注目が集まっています。高いニーズがある一方、とくに日本ではまだ新しい職種で人材の不足が著しく、プロフェッショナルの育成が急がれるほか、そのスキルや資質を持った人はどの企業や組織からも引く手あまたの存在になっているのです。

難関大学卒業者らの間でも、今や官僚、医師、弁護士などをしのぐ人気と注目の仕事、憧れの職種になっているとさえいわれるデータサイエンティストとは、いったいどのような職業人なのでしょうか。

今回は、この「データサイエンティスト」にスポットを当て、その概要や主な仕事内容をはじめ、最新の求人動向、なるために必要な資質、将来性にいたるまで、幅広く解説します。関連領域からキャリアチェンジを考えられている方にとっても、有益な情報になると考えられますから、ぜひ少しでも興味関心のある方は内容をチェックしてみてください。

東大生にも人気沸騰中!?データサイエンティストとは

まず、用語の定義を確認しましょう。データサイエンティスト(Data-scientist)とは、一般的な英語で「ist」がつく場合にそれを職業とする人、行う人を指すものとなっているように、データサイエンスに携わる人、それを行う職務およびそれに就く人のことをいいます。

ではデータサイエンス(Data Science)とは何か、これが基礎として理解できなければ始まりません。データサイエンスとは、さまざまに収集された膨大なデータを用い、情報科学や統計学的手法、科学的手法、各種アルゴリズム、さらには人間的手法など、多様なアプローチを横断的に駆使し、社会にとって有益な知見や新たな価値を引き出すことを目的とする研究分野です。

データサイエンスそのものは、さほど新しい分野や概念ではありませんが、近年非常に高い期待をもって受け止められる重要分野になっています。なぜかというと、世界が高度に情報化されたものとなり、ビジネス活動を行う企業もこれまで以上にデータを命とするようになりました。あらゆる判断やイノベーションはもはや感覚ではなく、データを基盤として生み出されています。

しかし現代のテクノロジーは膨大な情報の作成や収集、保存、管理を可能とした一方、まだそれを十分に活用できているとはいえず、ほとんどが手つかずのまま世界中の企業や社会に眠っています。データは保存されただけでは力を発揮するものとはなりません。的確に解析されてこそ真に価値あるものとなります。そこで求められるのが、データサイエンスなのです。

データサイエンスを用い、膨大なデータから価値を引き出せるようになれば、得られるメリットの大きさははかりしれません。企業であれば、最適なマーケティング戦略を構築したり、業務プロセスの改善を図ったりできるほか、新規事業の開拓なども最善の道で行えるようになり、あらゆる経営判断が最適化されるでしょう。より大きな国や社会といった規模でも、複雑な社会問題に対する抜本的解決策を見出したり、災害への対策・対応を進めたりするほか、医療の治療効果改善、教育効果の向上などがエビデンスをもって推進できるようになると期待されます。

こうした情報が力を持ち、活用に大きな期待がかかる時代が到来したことに加え、そうした流れをさらに加速させる、高速通信回線とインターネットデバイスの普及、ITの発達・浸透、AIや機械学習・ディープラーニングの進化、ビッグデータを効率的に取り扱える仕組みの整備が進んだことなどから、このデータサイエンス実行を担うデータサイエンティストへの期待と需要が、各所で急速に高まったのです。

しかし、データサイエンティストはその職業性格上、超領域的な思考を働かせ、さまざまなツールや数式、手法を駆使し、膨大なデータと向き合って結果を出していかねばなりませんから、高度な知的能力と幅広い知識、確かな知性、ビジネスセンスが求められます。さらに新しい分野であるため、育成も追いついておらず、現在はニーズだけが一方的に高まって、供給される人材はごく限られているという状況であり、争奪戦ともいえる事態になっているのです。

高い効果が見込め、人材としての争奪戦が発生すれば、企業はそれだけ採用への投資を行うようになります。その結果、データサイエンティストは、現代トップクラスの高収入職種としても注目されるようになりました。

こうした社会変化を敏感に感じ取り、また自らの知的欲求も満たしやすい仕事内容とみられたからでしょう。近年は東大生の中でも人気で、データサイエンティストへの一歩を踏み出せる、学内の特別講座は多くの学生に受講されています。

このように、データサイエンティストはITとデータ分析、統計を掛け合わせた領域のプロフェッショナルであり、最新の技術と手法を駆使して、複雑な現代の諸問題に解決策を提示したり、求められる革新的価値を引き出してアドバイスしたりすることを職務としています。職業としての誕生・確立と認知拡大の面からいえば、ごく新しいものですが、その人気と注目度、重要性はますます高まってきています。

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データサイエンティストの仕事内容

データサイエンティストがどのような職種であるかをみてきましたが、ここからは実際にどのような仕事の仕方をしているのか、その内容や流れについて少し詳しく解説します。

まず、現状ある課題の洗い出しから始めます。データの研究分析がメインとイメージされるかもしれませんが、最終的に求められるのは、分析結果に基づいた最良の提案です。提案につなげるには、現時点でどんな問題があり、何が改善されねばならないのか、何のためにどんなデータ分析が必要かを見出し、決定しなければなりません。システムエンジニアであれば、ちょうど要件定義にあたるような作業で、この段階での状況把握、検討だてが優れた精度で行えてこそ、優秀なデータサイエンティストといえるでしょう。

ここでの全体的な見通しができれば、データを保有する部門や関連事業部門の担当者と話し合いを進め、現在蓄積されていて利用可能なデータにはどのようなものがあるか、新たに収集するデータとしては何があるか、解析手法や施策など、これからのベースとなる計画を立てます。場合によっては、目標達成に向けた戦略の仮説立案などを行うこともあります。

次に、必要なデータの収集を開始しますが、一般に参考とすべきデータはさまざまなところに、さまざまなかたちで散在しているため、そのまま簡単に集めれば良いというわけにはいきません。すでにデータが整っている場合には、Hiveなどでクエリを書きさえすれば、容易にデータの収集が完了する場合もありますが、そのようなケースは稀であり、通常は多くの作業工程が必要になります。例えばひとつの企業における案件でも、MySQL、NoSQLなどのデータベースや、分散処理技術で蓄積したHadoop内のビッグデータ、独自のAPIでのみアクセスできるようにして管理している社内独自のシステムデータなど、多様なデータを取得・収集対象にしなければならないのです。

そのため、データの収集と分析に必要な環境構築から着手します。対象とする業務システムからデータを収集する専用のプログラム作成、解析処理に必要な新しいデータベースの構築・運用なども行います。また、そのままでは取り扱えないデータの前処理やクレンジングと呼ばれる作業も重要なステップです。生のデータにはノイズも多く、不適切なデータや必要のないデータが含まれていることも少なくありません。形式がバラバラであったり、明らかな異常データが含まれていたりする場合もあります。共通のプラットフォームにのせて今後の分析を適切に行うことができるよう、SQLによるデータの抽出や加工などを適宜実施していきます。

膨大なデータの全容を把握するため、Pythonのライブラリで対象データの可視化を行い、特徴をつかみながら環境構築やデータ収集に不足はないか確認するなど、さまざまなかたちで実際のデータに触りながら作業を進めていくのが一般的です。

およそ環境が整い、必要なデータが分析可能なかたちで揃えられたら、いよいよ分析・検証作業に入ります。自らが持つプログラミングの知識や数学、統計学の知識を中心に、さまざまな手法を駆使して分析を進め、問題の改善や仮説の検証など、目的へとつながる有意味な情報を見出してまとめていきます。

分析を行いながらも、取捨選択を行ったり、出た結果からひらめきを得たり、自分なりの視点で高度な思考力を発揮する必要があり、多角的にデータと向き合えなければなりません。作業は分析の経験はもちろん、幅広い分野にわたる知識と最新情報まできちんとチェックした基礎力がなければ、的確に進められないでしょう。持てる力をフルに活用して考察や仮説の検証を行い、結果を照合・集約していきます。

なお近年は一度の分析を実行するだけでなく、画像処理、音声処理、自然言語処理などの目的でAIモデルを開発するタイプの仕事も増加しており、データサイエンティストには従来の統計処理やデータマイニングのスキルに加え、機械学習の知識も強く求められるようになってきています。

データの考察や基礎仮説の検証ができたら、今後どういった施策をとることによって当初の課題を解決できるのか、目指す目標を達成できるのかについて、具体的な戦略や開発、経営判断にかかる提案を行う最終ステップへ進みます。そのために分析された結果を分かりやすく整理して示し、納品できる内容のレポートにまとめていく作業も行います。

とくに注目すべき重要なデータ結果に関しては、KPI(Key Performance Indicator・重要業績評価指標)を設定します。このKPIは、より大きな組織目標の達成にいたるまでのステップ指標として、役立てていくべきとくに重要な計測値のことで、この指標の変化から次の施策や改善方法を提案することが大切になります。

今後運用していく予測モデルやAIモデルの開発を行った場合は、必要に応じ、実地ビジネスへの適用や本番環境へのリリースまでサポートすることもあります。

いずれにしても全体を俯瞰しながらプロジェクトを導き、重要な経営判断や戦略実施にかかるアドバイスを行ってひとつの仕事が完了するものとなるため、データサイエンティストが企業や組織、社会にもたらす影響は大きく、仕事内容としても、あくまでデータ分析を中心核に据えたものではありますが、非常に多岐にわたるものとなっています。

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データサイエンティストでフリーランスになるには

データサイエンティストとして活躍する人材を、自社の正社員として雇う場合ももちろんありますが、自身のスキルを活かし、フリーランスで活動するデータサイエンティストも少しずつ誕生してきています。

データサイエンティストが活躍できる場は、特定の業界に偏ることもなく、身近な小売・卸売企業からヘルスケア、通信関連などのサービス、広告・マーケティング、金融、電力、公的団体まであらゆるところに高いニーズがあります。今や重要な局面の判断は、トップの勘ではなく、確かなエビデンスに基づくか、どれだけデータに基づいた合理的なものであるかが重要視される時代となり、情報はきわめて重要な経営資源とみなされるようになっていますから、データサイエンティストの力は大いに必要とされているのです。

加えて、幅広い知見を有し、機械学習やディープラーニングのアルゴリズムといった最新領域までカバーするエンジニア並みのITスキルと、統計学的手法を駆使することができる、さらにビジネス戦略や経営面の理解力も高いデータサイエンティストは、まだまだ少数で希少価値の高い存在であるため、人材獲得の競争も激しく、自社で囲い込めない場合は、必要なシーンで委託する、フリーランスと契約するケースが多くみられています。

データサイエンスを実践する研究者としての側面も持ち、データサイエンティストとして多様な案件を対象に、知見やスキルを提供できる当人としても、企業や団体がこぞって多額を投資し、良い条件で働きを求めてくれる環境があることから、一度は組織に所属しても、より良い待遇ややりがい、自由な働き方を求めて独立、フリーランスになる決断をするケースが少なくありません。

人材育成が急務とされ、非常に引きの強い領域であることから、プログラマーやシステムエンジニアなど、IT関連の別職種からはもちろん、マーケターや企業コンサルタントからのキャリアパス、キャリアチェンジを図る人や、未経験からデータサイエンティストを目指す人も増えています。そこで、ここではフリーランスのデータサイエンティストになるにはどうすれば良いのか、基本的なステップとアドバイスを挙げていきます。

データサイエンティストになるために

まずデータサイエンティストになる方法ですが、いくつかのルートが考えられます。これから目指したい、キャリアチェンジを図りたいという方は、ここから可能性を探りましょう。

1つの王道的方法として、データサイエンス系に特化した理系大学や大学院に進み、そこで必要な知識を学ぶ方法があります。「データサイエンス」を学部名としてはっきり掲げた滋賀大学や横浜市立大学、武蔵野大学などはもちろん、もともとICT教育に強い慶應大学のSFCや筑波大学、東京工業大学、東京大学の学部横断型プログラム、数理・データサイエンス教育プログラムなどでの内容をみてみると、データサイエンティストに必要な基礎が学べるようになっています。

ほかに米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)やスタンフォード大学など、トップスクールの多くでは、データサイエンスと物理、経済など、複数の専攻で学びを得て卒業する学生がスタンダードになりつつあり、データサイエンティストとしての能力を備えた卒業生が多数出ていますから、留学して学ぶ方法もあるでしょう。

もう少しハードルの低いところでは、国内の専門職大学があり、情報経営イノベーション専門職大学では、情報経営イノベーション学科のカリキュラムで、データサイエンティストの基礎になる幅広いICT教育を展開、AIやビッグデータについても深く、実践的に学べる環境が整っています。

文系大学から目指す場合、未経験ではとくに直接目指すことが難しいため、エンジニア職でプログラミング経験を積んだり、データベースエンジニアとしてデータ処理のスキルを磨いたりすることを最初のステップとし、そこから転職、中途採用を目指していくのが現実的と考えられます。

文系であっても、経済や経営・マーケティング分野の出身で統計学に親しんでいたり、企業コンサルのノウハウがある、幅広い知的関心があり考察力が高いといった地盤があったりする人ならば、これまでの知識が無駄になることはありません。ITスキルと掛け合わせることができるようになれば、より優れたデータサイエンティストになる可能性も十分にあります。プログラミングやデータ分析の実務経験を積むことが難しいなら、学習を重ねて関連資格を取得するところから始めるのも良いでしょう。

プログラミングやWebデザインなどのオンライン学習コンテンツを提供するプラットフォームでは、昨今、データサイエンス講座の動画配信を行うところも増えてきています。こうしたコンテンツを活用し、基礎を身につけるのも有効です。

すでに一定のITスキルを持つ、データベースエンジニアやデータマイニングエンジニア、ITエンジニアからのキャリアパスは、比較的容易とされています。とくに日常的に膨大なデータを取り扱うタイプのエンジニアとして経験を積んできた方や、Pythonを用いたアプリ開発経験がある、ライブラリを利用した機械学習やディープラーニングの利活用経験があるといった方は有利でしょう。

ただし、経営やビジネス面の知識、統計学的手法を用い分析・考察するといったデータサイエンスならではの力を補強するステップは必要です。接することが多いSASやSPSS、Rなど統計ソフトの知識を深めつつ、統計学の学問的基礎を身につけ、経済ビジネスモデルやマーケティングについても学んでいくと、データサイエンティストとしての基本的スキルが整っていくと考えられます。

経済を専攻し、マーケターとして活動してきた、またはアナリストとして企業の経営状態から業界市場など、幅広いデータ分析を行ってきた方が、データサイエンティストにキャリアチェンジするケースもあり、こちらも比較的近い領域から目指すことができるタイプとされます。ビジネス課題の抽出や戦略立案、調査、データ収集・管理などについては専門的知識をすでに一定以上蓄えているでしょうから、RやPythonなどプログラミング言語を身につけたり、AIのアルゴリズムや機械学習、ディープラーニングについて学んだり、主にITエンジニア関連の力を強化すると良いでしょう。

必要性の高さから、企業によっては自社内でキャリアチェンジプログラムを設け、志願者を募ってデータサイエンティストの育成にあたっているところもあります。あまり事例が多くはありませんが、幸運にもそうした社に属しており、十分な教育体制になっていると感じられれば、プログラムに参加して基礎を身につけ、一人前のデータサイエンティストとなることを目指すこともできます。

このほかにも、統計学や経済学、情報科学などの研究職から、ITエンジニアの現場経験を積み、データ分析・解析のノウハウを身につけてデータサイエンティストになった人もあります。

データサイエンティストになるための決まったコースはなく、公的な資格が要求される職種でもありませんから、極端な話をすれば、誰がどこから目指すことも可能です。専門書籍やオンラインコンテンツも多く、基礎から高度な内容まで学ぶ環境や道具も身近になっていますから、自分に足りないものを補うところから始め、実務に近づいていくこともできるでしょう。一人前になるための道は平坦でなく、狭き門ともなりますが、強い興味関心とやる気があれば不可能ではありません。

フリーソフトで身近なデータに積極的に触れるなど、データと向き合う機会を多く設けながら、複数ステップのキャリアチェンジも意識し、必要な学びと経験値を深めていくことをお勧めします。

フリーランスで活躍するには

データサイエンティストのニーズは高く、人材の不足が深刻な状況ですから、十分なスキルを持てばフリーランスとして独立し、案件をこなしていくことは難しいことではありません。しかし、実地経験なしでのスタートは困難ですから、基本的にはまず企業に所属し、その中で経験を積むことが無難です。

企業全体や組織全体に大きな影響を与える中核領域、重大な経営判断の領域に関わることが多いデータサイエンティストゆえ、経験や実績がない状態で信用を得て、案件に携わることは、いくらニーズが高くともあまり現実的でないでしょう。データ分析から問題解決のための提案や新たな価値を生み出すビジネスモデルを構築するといった経験を積むには、企業内で経験することが何よりです。そうして実力を伸ばし、一定の段階まで到達してから、フリーランスとして活動を始めるとスムーズです。

フリーランスとして活動を始めたら、企業内で経験を積む中で形成されてきた人脈を活かし、仕事の紹介を頼んでみましょう。先に独立した先輩がいれば、その人に相談するのも良いですし、友人・知人にフリーとなったことを伝え、案件を紹介してもらうよう頼んでおくのも有効です。

またデータサイエンティストやデータアナリスト領域に特化したエージェンシーも生まれてきており、こうしたサービスに登録して、求める企業・組織とつないでもらうようにすると仕事を得やすいですね。得意分野を活かしたマッチングや、スキルアップをサポートしてくれる仕組み、最新情報の提供などサービスも充実してきていますから、自分に合ったエージェンシーや、信頼できるエージェンシーを窓口として探し、吟味すると、活躍できるシーンがより増えていくと見込まれます。

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データサイエンティストのフリーランス案件ってどのくらいある?求人最新動向

データサイエンティストのニーズが高いことは、これまでにも述べてきましたが、フリーランスの案件は実際のところ、どれくらい存在するのでしょうか。フリーランスHub内で、2021年5月時点のデータサイエンティスト案件一覧を参照すると、175件の案件が確認できます。

リモートOKな案件や、高額報酬の長期案件も多く、即戦力となるデータサイエンティスト人材が強く求められており、業務委託契約でフリーランスが活躍できる場が多く揃っています。傾向としては、グローバル展開を行う大手上場企業、それらとの取引実績が多いIT関連企業、大量のデータを保有するテクノロジー企業、金融、ヘルスケア関連、外資系コンサルティング会社、広告代理・マーケティング事業者、技術志向性の高い少数精鋭のベンチャーなどのジャンルが多くなっていますが、特定業界に限定されない幅広い募集があることが特徴です。

利用シーンが増加しているドローンのデータを対象とする案件や動画視聴ログからの分析・提案案件、基幹システムの刷新プロジェクトにおける上流工程へ携わる案件のほか、AI技術を活かした予測モデルの開発案件など、時代のニーズを反映したさまざまな領域の仕事が求められており、興味関心に合った案件を選定したり、キャリアアップのロードマップにマッチした案件に応募してみたりと、自分なりの仕事のスタイルを決めて取り組んでいくことができるでしょう。

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案件を獲得する方法は?

データサイエンティストに限らず、フリーランスで自らのスキルを活かして活動するには、何はともあれ仕事の案件を獲得しなければ始まりません。企業や組織に所属し、雇用されて働く場合、仕事は自動的に割り当てられ、任せられて遂行するだけですが、フリーランスは違います。自ら案件を獲得し、契約して仕事を作り出すところから始めなければなりません。

どういった案件の仕事を、どのような企業・組織のパートナーとなって担当するか、どれくらいの量をどれほどの期間で請け負い、こなしていくか、全て自己裁量で決めることができ、実力と働き方次第で収入レベルも経験やスキルも、好きなだけ伸ばしていけるメリットがある一方、案件を探したり、営業をかけたりといった作業も自ら担わなければならないのがフリーランスです。

幸い、データサイエンティストは市場価値が高く、希少性も高い存在であるため、優れた条件の案件を見つけやすい職種となっていますが、案件獲得に向けて動かなければならないことには違いありません。そこで、どうやって案件を取っていけば良いのか、いくつか具体的な方法をご紹介しましょう。

まず、完全なフリーランスとなる前に、データサイエンティストを求める企業などからの依頼をまとめて扱う、データ分析関連の受託を専門とする企業がありますから、そうした受託事業者の下で働いてみる方法があります。実地での経験がまだ不足気味であったり、人脈があまりなかったりする場合にお勧めです。

こうした受託事業者を通じて実際にさまざまなクライアントのところで働いてみると、どういった企業同士につながりがあるのか知ることができたり、データサイエンティストの活躍する業界絵図がどうなっているのか、おおよその構図を掴んだりすることができます。また、働いた先で新たな人脈もつないでいくことができますし、実績からつながりのある別企業の仕事を得るといったことがしやすくなります。

業界の構図や企業のつながりが見えてくれば、自然とどこにどのようなかたちで営業をかけるのが適切か、効率良く仕事につながるルートとなるか、理解することにも役立つでしょう。

完全にフリーランスとして独立したら、こうして仕事をする中でできた知人の輪やクライアント企業、旧知の友人・知人に、メールやチャット、対面などでそのことを伝え、直接仕事の案件をもらえるよう声をかけておきましょう。こうしたつてを活かす方法の場合、依頼する側も、知り合いの紹介であるという点で信頼して任せやすく、契約がスムーズに進む傾向があります。またスキルレベルも把握しやすいため、高額案件にも結びつきやすいでしょう。

一度仕事で良い成果が出ていれば、過去のクライアントが「またこの人にお願いしたい」と、繰り返し依頼してくれる場合もあります。そのためにもまず、紹介された仕事、引き受けた仕事は責任をもって完遂し、自分の持てる知識やスキルを十分に使って成果を出していくこと、きっちりこなし高評価を得ていくことが何より大切です。

広く営業をかける場合には、ブログサービスやSNSを活用して案件を募集するといったことも可能です。投稿やプロフィールページに、これまでの実績をまとめたポートフォリオの簡略化したものを掲載しておくと良いでしょう。何かのきっかけで投稿が目にとまれば、直接依頼が入る場合も十分にあり得ます。

自身の人脈や業界評価から、自動的に案件が集まってくる、打診される案件が継続的にあり、自ら主体的に仕事を取りにいかずとも、良い条件の仕事を選べるようになれば理想的ですが、スタートを切ったばかりのうちは、なかなかそのように上手くはいかないでしょう。

そうした時には、求人サイトやエージェンシーサービスを利用します。求人サイトは雇用されて働く労働者の募集案件だけが取り扱われているものと思われるかもしれませんが、フリーランス向けの業務委託案件を扱うサイトも増加しています。技術系、フリーランス向けの案件に強いサイトへ登録すると、適した案件を紹介してもらえる可能性があるでしょう。

フリーランス仲介に特化したエージェンシーは、ニーズを持つクライアント企業とフリーランスのデータサイエンティストをマッチングさせ、最適な組み合わせで仲介してくれるものとなっています。どのエージェンシーを利用するかで、紹介される案件やジャンルはかなり異なってきますから、主要なエージェンシーを比較し、自分に合うところを選定するようにします。

こうした紹介サービスから得られた仕事をこなすことでも、新たな人脈を構築していくことが可能です。直接依頼される案件に比べると、やや規模の小さな案件であったり、手数料が引かれたりといったマイナス面もありますが、容易に希望に近い案件と出会いやすく、あまり営業活動に労力をかけずとも安定的に仕事ができるメリットがあります。

これまでに出会うことがなかった業界のクライアントと知り合い、そこで働くことができたり、新たな領域での経験・実績を積んでさらなるステップアップができたりといった点も大きなメリットです。とくに初期の段階では、こうしたサービスを利活用しているフリーランスのデータサイエンティストが多くなっており、上手く使っていくことをお勧めします。

直接的な案件の獲得方法ではありませんが、より提案力、考察力を高めたり、最新のニーズが集まるスキルを身につけたり、コミュニケーション能力をアップさせるなど、常に自己研鑽を怠らず、スキルアップに努めること、積極的に自ら学び続けることは、案件の獲得、とくに高額案件を安定して得られるようになるために重要なことです。個人で学ぶだけでなく、勉強会やスクールなどにも参加してみましょう。そこでの出会いや交流からも、仕事が得られるケースは多くなっています。

マネジメント力やリーダーシップを身につけ、より上流工程で、経営の中心に近い場で働ける立場になると、データサイエンティストの中でも引きの多い、高収入案件が獲得できる存在になることができます。また、グローバル展開する企業や外資系企業がクライアントとなるシーンも多いことから、英語力を磨いておくことも、仕事の幅を広げ、良い案件獲得の可能性を増すものとなるでしょう。最新のIT技術やプログラミング言語にかかる最新ニュースを得る面でも、英語のみの提供となるケースが少なくないため、高い英語力で原語のまま理解できると効率的です。

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データサイエンティストの報酬・年収相場

現在のデータサイエンティストがどの程度の報酬を得ているのか、平均的な年収はどれくらいになっているのか、これから目指そうという方には、そうした収入面も気にかかるところでしょう。これまでにも述べたように、データサイエンティストはいち早く求める企業らが多くの金額を投資して優秀な人材を得ようとしている引きの強い分野であり、それに対して活躍する人の絶対数は少ないため、非常に市場価値の高い職種となっています。

そのため、優秀なデータサイエンティストとしての活動が見込まれる人材には、新卒であっても破格の年収待遇が提示されることがあり、そうした事例が広く話題になることも多いなど、高額収入が期待できる職業として注目されています。

ただしフリーランスを含め、データサイエンティストを名乗って活動している人、働いている人の全体にすると、その年収相場にはかなりの幅があります。それでも一般的な平均年収に比較すると、高めの水準であることには違いありませんが、年収1,000万超えといった際立った高収入の人ばかりというわけでもありません。

これは同じデータサイエンティストでも、担当する業務の内容やそのレベル、規模に大きな違いがあるからです。データサイエンティストとしては駆け出しで、複業のひとつとして行い始めたばかりといった人と、数々の大きな案件で実績を重ね、まさにプロフェッショナルなデータサイエンティストとして、トップ企業と仕事をし、日々活躍を続けている人の年収に開きがあるであろうことは容易に想像できますね。

高度なスキルと幅広い領域にわたる知識・知力が不可欠で、能力次第の世界となっているからこそ、得る年収の額にも大きな幅があるのです。そのことを踏まえた上で、フリーランス案件の傾向から、最新の平均的相場がどの程度になっているのか、調査してみました。

レバテックフリーランスの「データサイエンティスト求人・案件月額単価相場」を参照すると、「月60万円以上70万円未満」が約45%で最も多く、次いで「月70万円以上80万円未満」が約27%、3位は「月80万円以上90万円未満」で約19%となっており、およそ月70万円前後の報酬単価が案件としてボリュームゾーンになっていることが分かります。平均単価も70万円と算出されています。

月90万円以上の案件となると、合計でも全体の15%弱になり、やや数は減少していきますが、「月100万円以上」の高額な単価設定による募集案件もあり、最高単価は105万円でした。これに対し、最低単価は40万円になっています。

この月額単価報酬データから、仕事が継続して得られたと仮定し、単純計算で年収を算定すると、平均の70万円で年収840万円、最低単価クラスでは年収480万円、最高単価レベルのケースでは、年収1,260万円となります。

あくまでも単純計算で、同水準の仕事案件ばかり獲得できるとは限りませんが、安定的に仕事を得ることができれば、初期段階向けの単価低め案件で経験を積んでいく段階の場合、年収で450~500万円程度、ある程度実績を得て難易度の高いケースにも対応可能な中堅となって年収800万円強~900万円程度、データサイエンティストの中でもトップクラスで活躍すれば、年収1,000万円以上は十分に現実的と考えられるでしょう。

国税庁の一般サラリーマン平均給与データをみると、全体平均では、賞与なども含めた年収が約467万円となっています。ただしこれは企業規模別でかなり差があり、資本金2,000万円未満の株式会社では年収425万円、資本金10億円以上の株式会社の場合は年収635万円、個人企業になると、年収270万円がおよその平均値になっていました。
国内企業の大部分が中小企業であることを加味して考えると、実際に受け取っている人が多い年収の水準は400万円に届かないケースも多いと推察されます。よって、データサイエンティストの場合、その収入は実績や経験、実力次第で歴然とした差があるものになることは否めませんが、やはり全般的に平均的なサラリーマンより高収入が見込める、駆け出しでもある程度恵まれた報酬環境で働いていける職種だといえそうです。

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年収2,000万円の事例も

優秀なデータサイエンティストを確保し、イノベーションを生み出したい、ビジネスの経営判断最適化を図り、飛躍的事業成長に向けた地盤を強化したい、AIなど最新テクノロジーを組み込んだ事業運用へとグレードアップさせれば社全体で得られる経済的メリットは何十億、何百億にもなるといった見方をとる企業では、データサイエンティストを筆頭とする高度IT関連人材の待遇を急速に引き上げており、通常の給与体系とは別に定めた報酬基準から、数千万円で契約するケースも出てきています。

フリーランスでも、月に150万円といった高単価案件を獲得していけば、年収1,800万円といったきわめて高水準の収入帯でやっていくことができるようになります。もちろん、相当のスキルと知識、ビジネスセンス、マネジメント力なども兼ね備えていて初めて、こうしたクラスのデータサイエンティストになることができるのであり、誰もがなれるものではなく、狭き門であることは留意しておかねばなりません。

かつて外資系コンサルティング会社や、同じく外資系の金融企業でみられた傾向と同じように、この際立った年収の高さと求められる能力の高さから、トップクラスの大学を卒業した学生らに、データサイエンティストが人気となっていることも昨今の潮流です。

そして多額を投資し、高額報酬を提示しても欲しいと声を上げる企業が、業界を問わずみられること、方々から声がかかることがデータサイエンティスト特有の傾向であり、そうした特徴が、自分の興味関心や能力を活かしつつ目指すことができるかもしれない、頑張ればなれるかもしれないと思う学生・若年層を増やしている可能性があるでしょう。

ただし年収としては、2,000万円を超えるケースは少なく、上限値が高くとも2,000万円までとなっている国内企業が目立つ点も、ひとつ注目されるところです。なぜ年収2,000万円にひとつのラインがあるのか?これは年収2,000万円を超えると、会社員であっても確定申告が必要になること、そして2,000万円オーバーの収入を得るのは主に役員や経営者であって、それを超える待遇は提示しづらいことといった事情が背景にあると考えられます。

そうした上限を設けられたくない、より上を目指したいと考えるなら、雇用関係に縛られないことがポイントになります。つまりフリーランスで勝負するのです。もちろん違った大変さはあり、リスクもあるため、高収入が確証されるわけではありませんが、こうした観点からフリーランスを選択するという道もあるでしょう。

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フリーランスのデータサイエンティストに必要な資質

専門性が高く、幅広い領域にわたる知識が求められるデータサイエンティストの場合、必要な資質、求められるスキルも多様で、そのそれぞれが高度な水準に達している必要があります。さらにフリーランスとして活躍することを目指すなら、そのために必要な資質・能力も兼ね備えていなければなりません。具体的にはどういった資質やスキル、能力が欠かせないものとして挙げられるのか、代表的なものを見ていきましょう。

統計学および数学的知識

データサイエンスの研究者から派生してきた職種でもあるデータサイエンティストですから、まず統計学や数学に関する知識は欠かせません。情報処理能力とあわせ、あらゆる手法を駆使できるだけの専門知識が必要です。

データ分析にツールを用いる際も、回帰分析手法や統計処理手法など、数学や統計学への理解がなければ適切に使いこなせないシーンに多々直面します。基礎力として大学レベルの統計学や数学的知識を身につけておきましょう。数学が好き、統計学が楽しいといった興味関心とマッチし、楽しく学び続けられる、スキルに自然と磨きをかけていける人であれば、理想的です。

データの分析力と分析ツールの取り扱いスキル

大量のデータを前に、どういった特徴があるのか迅速かつ的確に判断し、正しい形で解析できる力、新たな価値を引き出せるよう、初見のクライアントのデータに対し多角的な分析を上手く組み合わせながら適用・実行していける、そうした力がデータサイエンティストとして必要であることは当然のことといえます。

明確な目的意識のもと、高い分析力を発揮して作業を進め、求められる提案へつなげられなければ意味がありません。なお多くの実践現場では、さまざまなかたちで散在する膨大なデータを取り扱うことになりますから、分析に特化したツールを、その場に最適なかたちで導入し、活用することが大切になります。ツールを幅広く使いこなせるスキルがあることもポイントとなり、SQLなどデータベース操作に必要な知識の習得とともに、スキルアップを図っておく必要があります。

一度身につけたら終わりというわけではなく、データにもトレンドがあり、分析ツールの進化も日進月歩で続きますから、常に最新の対応ができる力へ、自らの能力・スキルに磨きをかけることを怠ってはなりません。

IT・プログラミングスキル

データサイエンティストは、プログラミング言語も日常的に取り扱います。R言語やPythonは主流のものとして使うシーンが多く、理解して使いこなせるようにしておかねばなりません。そのほかC++やPHP、JavaScript、SQLなど主要言語の基礎知識も身につけておくことが望ましいでしょう。対応可能な言語が広がれば、引き受けられる案件の幅も広がります。

ビッグデータやセキュリティなどの知識も、クライアントの課題を把握し、分析、改善策の提案につなげていくために必要となるでしょう。近年はデータの可視化やAI実装、機械学習、ディープラーニングの開発に関係する案件も急増していますから、これら最新技術に精通していることも重要です。

ビジネススキル

ただデータの処理を行ったり、システムの開発を行ったりする技術系職種と異なり、仮説の検証や問題解決のための提案を行うこと、ビジネスの重要な経営判断にかかるサポートを行うことが最終目的となるデータサイエンティストの場合、一般社会人が持つレベル以上のビジネス知識とスキルが必要になります。

経営やマーケティングの基礎知識、ロジカルシンキング、ビジネス戦略の構築・展開など、ITやデータベース関連にとどまらない、ビジネス全般のスキル、経済知識を身につけ、それらを踏まえて深く考察することのできる力が必要です。

マネジメントスキル

データベースに関係する多くの技術者などと関わることも多く、ひとつの案件内でもデータを保有するさまざまな部署と横断的に仕事をしていくことになるこの職種では、プロジェクト全体を統括し、ステップを踏んで計画的に作業を進めるマネジメントスキルも重要になります。予算やスケジュールの範囲内で、最大最良の結果を生み出すには、関係各所との調整を上手く行う力も求められるでしょう。

フリーランスで活動するなら、さらに自己管理、引き受けた案件の管理、事業活動としての収支管理など、日々の業務遂行面におけるマネジメント能力も重要で、高度に求められるところとなります。全体を俯瞰的に見た管理が適切に行える、人を率いていく力もあり、リーダーシップをとることができるなど、あらゆる面で高いマネジメント力を発揮できれば、データサイエンティストの中でも、より上流工程の、経営本体やトップ判断にかかる案件に携わりやすくなり、報酬単価の高い仕事が行えるようにもなるでしょう。

コンサルティングスキル

データ分析の結果や仮説検証の結果など、実施した作業による結果を、クライアントに分かりやすく提示して説明し、現状ある課題への解決策としてどのようなものが考えられるのか、新たなビジネスモデルとしてどういったものが適切なのか、しっかりと提案を行い、高い満足度でもって受け止めてもらえるようにするには、コンサルティングスキルも高くなければなりません。

対象とする業界の傾向も理解しつつ、クライアントが頼んで良かったと思える結果をだせる、具体的な提案をきちんと提示できるよう努める必要があります。

コミュニケーションスキル

コンサルティングスキルとの関係も深いところですが、データサイエンティストにはコミュニケーションスキルの高さも重要です。仕事はまずヒアリングから入り、現状ある課題やクライアントの真のニーズを的確に引き出し、把握することが第一歩となりますから、ここでのやりとりを円滑に、うまく聞き出せることができなければ良い仕事と成果にはにつながりません。

さらにプロジェクトの後半においては、レポートの作成・報告やクライアントへの提案といった、上手く伝える力の問われる工程が多くなります。この重要な2点で、コミュニケーションスキルは欠かせないものです。

またフリーランスの場合、人脈を形成したり、営業をかけたり、契約の際に交渉を行ったりと、仕事を獲得するまでのステップ、次回以降の仕事につなげるためのフォローなど、それぞれのシーンにおいてもコミュニケーション能力の高さがポイントになってきます。

このほか、常に最新のIT情報やスキル、分析手法を身につけ、ビジネス課題や業界動向、社会情勢についての知識も深めておくことが要求されるため、幅広い領域について学び続ける力、それを苦にせず継続できる力が必要不可欠です。フリーランスとなった場合は、とくに自分から積極的に学び、高い向上心と自律心をもって日々取り組まなければなりません。そうした地道な努力が当たり前にできることも重要でしょう。

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フリーランスのデータサイエンティストが保有していると有利な資格

データサイエンティストとして活躍していくのに必須の資格というものはありません。業務に必要なスキルと知識、経験などがあり、クライアントからの信頼が得られれば、誰でもデータサイエンティストとして仕事をすることはできます。

しかし、取得しておくと役立つ資格、自分の能力を示しやすくなる資格はあります。主なものをいくつかご紹介しますので、キャリアアップを目指している方や、より獲得できる仕事を増やしたい、高額報酬の案件を得られるようにしたいといった方は、これら資格の取得も検討してみてください。

情報処理技術者試験

優れたIT人材を育成する活動を行っている、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の主催する技術者向け検定試験の「情報処理技術者試験」は、IT関連のスキルを示しやすい代表的資格試験です。経済産業省が情報処理技術者として、その知識や技能が一定の水準以上であることを認定する国家試験であり、高い信頼性をもって受け止められる資格です。

ITに関係するあらゆる人に活用してもらえる資格検定として実施されており、情報技術の背景として知っておくべき原理や基礎知識・技能について、幅広く総合的に問われるものとなっています。

基礎を問う「基本情報技術者試験(FE)」と、より応用的な内容を扱う「応用情報技術者試験(AP)」の2段階があり、さらに個々の領域について、その分野で専門技術者として活躍できるような高度な知識・技能があるかチェックする9つの部門の試験に細分化されています。データサイエンティストであれば、膨大なデータベース群の管理分析、システム構築にかかる「データベーススペシャリスト試験(DB)」がとくに関連性が深いでしょう。また、経営とITを結びつける力を問い、事業革新や業務革新につなげられる人材かを評価する「ITストラテジスト試験(ST)」なども関連するスキルを高めることができます。

IT技術の強化を図ってデータサイエンティストへの道を拓きたいと考える、マーケターやデータアナリストなどが試験への学習を経て、知識と技術を身につけるようにするといった利用も効果的です。

統計検定

「統計検定」は一般財団法人統計質保証推進協会が主催する試験で、日本統計学会も公式認定している検定です。総務省や文部科学省、経済産業省、内閣府、厚生労働省といった国も後援しています。その名の通り、統計に関する知識やその活用力を評価する全国統一の試験で、国際通用性のある統計活用能力を体系的に評価・認定します。

統計学を基礎から学ぶことができ、4級から1級まで(準1級を含む)5段階の統計検定と、「統計調査士」、「専門統計調査士」の2つの資格試験、さらに「統計検定データサイエンス基礎(CBT)」と呼ばれる検定があります。

分析結果から何が読み取れるか、どのように統計手法や知識を適用すれば良いのか、その判断がしっかりとできなければデータサイエンティストにはなれません。基礎となる統計学の知識を補強したいエンジニアなどは、まず自らの習熟度に応じた統計検定にチャレンジしてみると良いでしょう。なおデータサイエンティストとして役立つと考えられる資格レベルは、統計検定の場合、準1級以上となっています。

初めから準1級を目指すのが難しい場合、オンライン上で統計検定2級までの内容をしっかり、体系的に学び、確認できる「統計WEB」という、情報ポータル兼学習サイトが設けられています。こちらから基礎を固めていくと良いでしょう。

また「統計検定データサイエンス基礎(CBT)」は、昨今のデジタル社会で要求される、目的に応じた問題解決志向に基づいたデータアナリティクス能力を統計思考力とあわせて問うもので、CBT方式である機能を活かし、具体的データセットをコンピュータ上に提示して分析、問題解決のための解釈まで、幅広く一連の力を評価する内容になっています。「データサイエンス基礎」として、まさにデータサイエンティスト向けの基礎認証検定試験となっていますから、これからデータサイエンティストを目指す方、始めたばかりの方など、広く受験を検討してみることをお勧めします。

アクチュアリー資格試験

「アクチュアリー資格試験」は、公益社団法人日本アクチュアリー会が実施している資格試験で、確率論や統計学など数学的手法を駆使し、将来のリスク評価などを行う数理業務のプロフェッショナル、「アクチュアリー」になるためのテストです。アクチュアリーは、日本の場合、保険数理士や保険数理人などと呼ばれることもあります。

データサイエンティストに直結した資格試験ではありませんが、その対象内容は近く、とくに1次試験で実施される「数学」では、確率や統計、モデリングといったデータサイエンティストの業務に欠かせない専門知識が扱われます。「会計・経済・投資理論」の科目もあり、ビジネス面の学びも得られるでしょう。

OSS-DB技術者認定試験

データベース系の資格試験は複数のものがありますが、中でも構築や内部処理に関する知識を問うもの、企業に適用されているケースが多い仕様を対象とするものは、データサイエンティストが保有しておくと役立つ資格になるでしょう。

「OSS-DB技術者認定試験」は、そうした試験のひとつで、大規模データベースシステムの改善・運用管理・コンサルティングが行える技術者か、システムの設計・開発・導入・運用を担う技術者としてのスキルがあるか、それぞれ問うタイプの資格試験です。特定非営利活動法人エルピーアイジャパンが実施しています。

前者のスキルをチェックする「Gold」と、後者の「Silver」の2区分があり、とくに「Gold」であれば、コンサルティング能力までカバーされ、データサイエンティストの業務に直結してくる内容になっています。ただし「Gold」の認定は前提条件として、有意性期限を満たす「Silver」の資格保有者であることが求められます。なお、こちらの試験は「PostgreSQL」を基準のリレーショナルデータベースマネジメントシステムとして採用しています。

オラクルマスター

「オラクルマスター」は、日本オラクル株式会社が提供する「Oracle Database」の管理スキルがあることを客観的に証明、認定する資格で、データベースエンジニアを中心に、広く利用されています。2020年1月より、新たな資格体系へ変更されましたが、資格としての有用性、認知度・信頼度に大きな変化はありません。

ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナムの4区分からなり、それぞれに試験が実施されています。ブロンズはITエンジニアクラスのデータベースに関する基礎知識があるか、シルバーは開発者や運用担当者、データアナリストなど向けで日常の運用管理スキルに加え、基本的なSQLの知識・スキルがあるかどうかが問われます。

ゴールドになると、データベースの管理者として、マルチテナント環境のバックアップやリカバリ、パッチ適用、インストールほか運用知識なども必要として問われるようになります。プラチナムは最上位のクラスとして、エキスパート認定を行うもので、セキュリティや性能管理、データベース関連のプロ中のプロと認められる高度かつ高可用性のあるスキル保有者であることが証明されます。

まずはブロンズから挑戦し、受験を通じてデータベース技術者としての基礎スキルを体系的に身につけていくと良いでしょう。ゴールドやプラチナムを取得することができれば、他のサイエンティストとも差別化を図れるだけの高い評価を得ることができます。

Professional Data Engineer認定

「Professional Data Engineer認定」は、Googleが提供する認定プログラムで、Google Cloudのデータエンジニアリングスキルを問う資格です。さまざまなデータを収集、変換し、分析を行ってデータに基づく意思決定ができるかどうかが評価されます。

具体的には、データ処理システムの設計や開発、構築・運用のほか、機械学習モデルの運用化能力、ソリューションの品質確保に関する出題があり、Google Cloud Platformを活用する案件を中心に仕事を行うデータサイエンティストであれば、ぜひ知識・スキルとして習得し、得ておきたい資格となります。

G検定・E資格

「G検定・E資格」は、一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施するAI関連の資格です。昨今は人工知能開発関連の案件も増えているため、これら検定や資格も有用でしょう。G検定は、ディープラーニングに関する知識をもって事業活用するジェネラリスト向けのもの、E資格はディープラーニングを実装するエンジニア向けのものとして設定されています。

それぞれに必要な知識やスキルのセットが定義され、資格試験として能力を評価するだけでなく、協会が認定した事業者によるトレーニングも提供されるプログラムとなっていますから、最新知識を得て学び続ける必要性を満たす面でも有効です。開発エンジニア向けのE資格では、高度な数学の出題もあり、難易度は高めになっていますが、今後のAIの重要性・普及を見据えれば、学ぶ価値は十分にあるといえるでしょう。

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データサイエンティストの今後と将来性

ビッグデータやIoTの本格的普及、サービス実用化が進んできている現在、データサイエンティストの需要はますます高まっていくと見込まれ、その将来性は十分に高いものがあると考えられます。繰り返しになりますが、一人前のデータサイエンティストとして活躍している人材はまだまだ少なく、業界を問わず高まるニーズに対し、供給がまったく追いついていません。

さらに幅広い知識と高度なスキルの習得が求められる職種であり、思考力や提案力、ビジネススキル、コミュニケーション能力など、総合的にも高い水準の能力が必要とされるため、誰もがなれるというものではなく、また育成を図るにしても相応の時間がかかります。目指す人が増加し、本格的に専門プログラムでの育成が進むようになっても、需要に見合うだけの人材が市場に出てくるのは、まだまだ先のことになるでしょう。

企業や組織の課題を洗い出し、解決に導くことで利益を拡大させる、問題を解消するサポートを行うデータサイエンティストへの期待とニーズ、注目度は安定して高く、AIや機械学習の開発・実装プロジェクトなども、今後さらに増加してくる案件と見込まれます。

AIが高度に発達し、それらが普及・浸透すれば、ビッグデータを活用した重要な経営判断へのアドバイスもAIが自動的に実行できるようになり、データサイエンティストが活躍する場が失われていくという懸念も一部にありますが、そうしたAIによる完全な自動化とその実用化、コスト面でも広く利用可能な水準にツールが発達するまでには、まだ多くの道のりがあり、時間も要するでしょう。

また、たとえAIがそれらを可能にしたとしても、幅広い知識を活かした考察や人間が得意とする提案のひらめきとは、違った価値を提供するものになる可能性も高いと考えられます。その場合、データサイエンティストはAIに仕事を奪われるのではなく、今以上にAIをパートナーとしながら活躍する職種になっていくとも予測されます。変化に適応しつつ、活動していくことが重要になりますが、データサイエンティストが全く不要になるという可能性はごく低いでしょう。

そもそもITが不可欠な社会となった今、今後もその重要性は変わることがなく、日本国内の場合、IT人材全体が将来、慢性的な不足状態に陥ることが懸念されています。経済産業省が独立行政法人情報処理推進機構社会基盤センターからの発表として公開した「IT人材白書2020」によると、2030年には需要の伸びを中程度に設定したシミュレーションで、約45万人の不足になると予想されました。さらに強い需要があり、高位シナリオとなった場合、約79万人もの不足が発生するともされています。

さらにAI人材となると、需要の伸びが平均的であっても、2030年には最大14.5万人の不足になり、大きな需給ギャップが生じるとの試算がなされました。諸外国に比べても深刻な不足に陥る可能性が指摘されており、こうした環境下ですから、IT人材としてもプロフェッショナルで高い質を有し、AI人材でもあるデータサイエンティストならば、引き続き高い需要が見込め、将来性も十分にあると考えられるのです。

もちろん、現在に比べれば注目度は低下し、誰もが好待遇で働ける時代が続くとは考えにくいでしょう。それは変化の激しいIT業界で幾度となく繰り返されてきたことです。ただ仕事を得ることができるのではなく、より高額な報酬で働ける、条件の良い環境で仕事ができる存在になりたいと思うなら、より質が重要視される時代になっていくとの意識を持っておくことが大切でしょう。スキルと実績で差別化を図り、有能なデータサイエンティストとして活動を続ければ、社会的評価についても、今後長く高い状態で保たれるものと考えられます。

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まとめ

いかがでしたか。データサイエンティストがどういった存在で、どのように仕事をしているのか、目指すにはどうすれば良いのかという基礎から、フリーランスとして独立した場合の活動について、現在の市場動向と気になる報酬面、さらには将来性にいたるまで広く解説してきました。

どのような人が向いているのか、キャリアプランとして組み込むにはどうすれば良いかなど、それぞれに向き合う方法が見えてきたのではないかと思います。一流のデータサイエンティストとして活躍するには、高度な能力が広範にわたって求められ、責任も重く、大変なこととなりますが、それだけやりがいも大きく、将来性もあるものです。ぜひ向上心を持って取り組んでみてください。

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