COBOL案件でフリーランスは続けられる?知っておきたい将来性とキャリアチェンジ

3 years ago

最も古いプログラミング言語で、今でもニーズのあるCOBOLですが、この先もCOBOLエンジニアの需要は続くのでしょうか。

ここでは、これから独立を考えている、またはすでにフリーランスでCOBOLエンジニアとして働いている人向けに、COBOLの市場と現状について理解してもらい、今後何を目指すべきか、案件の獲得にどんなスキルが必要かなど、COBOLの将来性を中心に説明していきます。

COBOLの概要と特徴

COBOLは、1959年にアメリカ国防総省によって開発されたプログラミング言語です。インターネットもなく、コンピューターという言葉すら普及していなかった時代に、事務処理用言語として誕生したものです。プログラミング言語の中では、最も古いものです。

JavaScriptやPHP、人工知能プログラミングなどを駆使している現代の若い層にとっては、とても古い言語であるため、COBOLの開発を目指す人は減ってきており、それだけに現在では貴重なスキルとなっています。

COBOLは、人間が使う言語(ここでは英語)に近いという特徴があります。COBOL開発に携わる人は40代以上が多いのですが、言語を理解しやすいので初心者でも覚えやすく、またフリーランスにとっても、案件を選べる市場として人気があります。

変化・進化の激しいIT業界において、半世紀以上経った今でも使われているのには理由があり、COBOLは4つの節や段落(DIVISION)に分けられて構成されているため、冗長性が高いからです。

冗長性とは、システムがデータ処理を行うと同時に、バックアップも行う仕組みで、データを二重化することによって安定した稼働を行います。これで、システムの作動中にトラブルが発生しても、ストップすることなく適切に、安定した稼働でリスクを回避することができるのです。

そういった背景から、特にお金を扱う銀行、生命保険などの金融機関、製造業、メーカーをはじめとする企業の基幹システムや、ホテル、その他の予約サービスシステムなど、規模の大きい業務系Webシステム・業務系アプリ開発などで多く使用されています。

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フリーランスがCOBOL案件を取るために必要なスキル3つ

COBOLの需要に対し、精通しているエンジニアは少ないのが現状で、必要としている企業はたくさんあります。そのため、現段階では売り手市場となっており、案件を獲得しやすいのが大きなメリットです。とはいっても、エンジニアなら誰でもよいということではなく、ある程度のスキルと経験が必要になります。

それでは、フリーランスとしてCOBOL案件を獲得するために、どのようなスキルが必要なのか見ていきましょう。

ソースコードを理解している

まず、COBOLのソースコードを読むスキルが求められます。歴史の長い言語であるだけに、システムは時代によって改修を重ねられてきました。そのため、仕様書と異なるケース、場合によっては仕様書が存在しないケースなどもあります。

新たにシステムを改修するためには、ソースコードが手がかりとなります。正しく認識してソースコードを読み取るスキルが必要です。

ドキュメント作成ができる

COBOL案件を取り組むにあたり、仕様書と異なる、あるいは隔たりがあるケースが見受けられることから、読み取ったソースコードから、正確なドキュメント作成を行う必要があります。

システムを新しいものにリプレイス(置き換え)するときは、次のシステム改修に向けて分かりやすいドキュメントを作成しましょう。

マネジメント能力がある

COBOLを使ったシステム改修では、大手金融機関や全国で展開する企業などの業務ソフトなどを扱うことが多く、システム全体が膨大になることがあります。その場合、多くのエンジニアが必要となり、彼らをまとめ、指導しなければなりません。

正確に読み取る能力と、正確に伝えることができるドキュメントの作成にも能力が求められます。

特にチームで行うCOBOL案件は、若いエンジニアがCOBOLを知らないことが多くなっています。

そこで、知識を共有し、協力し合える順応性とスキルが必要になります。案件によっては、コミュニケーションスキル、マネジメントスキル、明るい前向きな性格など、チームのリーダーとしての要素を求められることがあります。

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COBOL未経験でも案件は獲得できる?

経験豊富なエンジニアでも、多言語ばかりを扱っていて、COBOLの開発経験がないという人は、案件の獲得は難しいのが現状です。というのも、COBOLはほかのプログラム言語と異なり、COBOLの仕様と似ているものがないためです。

また、計算処理や業務システムに関わるものが多いため、COBOL言語を正しく理解できる正確性が求められます。

古い言語であることから、新規開発でCOBOLが使われることはほとんどなく、既存システムの改修、または拡張などの案件が多くなります。その際も、COBOLに精通しているエンジニアが採用されます。

近年では、企業がCOBOLからJavaへ移行するケースが進められてきているため、Javaの開発経験がある人は、案件に参画できる可能性があります。

ただ、古いシステムを使い続けるわけにはいかないため、今後はCOBOLだけで案件を獲得していくというやり方は難しくなる可能性があります。そこで、Java・VBの開発言語やOracle・Windowsなどのスキルを身につけていくと活躍の場が広がります。

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COBOL案件の最近の動向と将来性

新しいシステム開発で使われることがないということは、COBOLの将来性を考えたときに、フリーランスとして活躍する場はなくなってしまうということでしょうか。

現在の若いエンジニアは、PHP、Java、Pythonなどのプログラミング言語を学んでいくことが考えられ、COBOLを学んでいくことがないか、あっても少ないと予想されます。よほど興味がある人が独学で学ぶ可能性はありますが、スクールなどでもCOBOLを教えるところはほとんどないからです。

今後エンジニアが減少するに従い、COBOLも使われなくなっていくと考える人もいるでしょう。

ですが、COBOLは安定したコアシステムとして重宝されており、ニーズが減ることはないでしょう。またCOBOLで開発された基幹システムを、他の言語に移行することは大きなコストと労力、時間が必要となります。お金やデータの取り扱いに、細心の注意を払わなければならない金融機関などにとっては、リスクとなってしまいます。

そのため、新しい開発はほぼ行われないものの、改修や拡張、トラブル対応などの案件は、これからも継続して発生すると考えられます。

むしろ、エンジニアが不足することで、COBOLに対応できるエンジニアは重宝されるでしょう。案件が豊富にある、というわけではありませんが、COBOLを使えるエンジニアが高齢化し引退すれば、ますます希少価値が高くなってくるため、単価がアップする可能性もあります。

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COBOL案件にはどんなものがある?

では具体的に、COBOLの案件にはどのようなものがあるのでしょうか。主な3つの案件が考えられます。

既存システムの改修・機能追加

社内で行われる基幹業務における既存システムの改修・追加機能は、制度改正、商品の変更などに伴い行われます。大きなプロジェクトになると、基本設計から開発、テスト、監視などまですべて担当することがあります。

企業の基幹業務システムに用いられる、大型の汎用コンピューターの開発現場になると、IBMや日立の汎用機の経験、PL/1やJCL、RPGなど、汎用系言語の知識が求められます。

規模が大きいとチームで行われることになりますので、チームマネージャー、プロダクトマネージャーなどの経験がある人は、選ばれる傾向にあります。

オープンシステムへの移行

近年は、Unix系のソフトウェアに移行・開発する案件も増えています。オープンシステムのプラットフォーム環境に移行するほうが、汎用機を維持するよりコストがかからないためです。

その場合、Unix系OSの知識やJavaの開発経験があるとよいでしょう。

もちろん、COBOLを理解していないとできない作業であり、COBOLの一部、またはすべての言語をJavaに置き換えることもあります。

テスト・ユーザー支援

機能改修・移行の際のシステムテスト、結合テストなどを行う案件があります。ユーザー視点で検証を行う支援業務で、COBOL開発者としてのスキル以外にも、テスト計画の作成から検証まで実務経験を持っている必要があります。ただし、案件の数としては多くありません。

案件の内容から分かるように、社内にある汎用機などシステム規模がとても大きく、チームで行われることが多いため、基本的にCOBOL開発者はクライアント先で行うことがほとんどで、在宅やリモートなどの働き方はありません。

またクライアントは、銀行、証券、保険会社、医療、製造メーカーなどが多く、障害が発生することで、社会的影響を及ぼしかねません。それを防ぐための「ミッションクリティカル」なシステムを使用しているため、現場での作業がほとんどです。

またこうしたクライアント先は、セキュリティの観点からも外部で行うにはリスクが大きく、働く条件は非常に厳しくなっています。

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COBOL案件の単価相場

今度は、COBOL案件の単価がどれくらいか見ていきましょう。

レバテックフリーランスが、2020年1月現在に掲載されている求人から算出したところ、COBOLエンジニアの平均月額単価は61万円、最高単価で95万円です。

ちなみに、ほかの言語を見ていくと、Javaは平均69万円、最高単価145万円、PHPは平均71万円、最高単価145万円、Pythonの平均単価は77万円、最高単価は145万円、JavaScriptの平均単価は72万円、最高単価が135万円です。

同じようにレバテックフリーランスから、紹介されているCOBOL案件を見ていくと、単価は50万円~70万円が多く見られます。

COBOLだけでなく、IT関連の報酬単価は、知識やスキル、経験によって報酬単価が変わります。実務経験が1年未満のエンジニアと、5年以上のエンジニアではその差も大きくなってきます。

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フリーランスがCOBOL案件で稼ぐために必要な経験とコツ

COBOLエンジニアでもスキルや実績によって大きく差が出てしまいます。しかし、それらの条件に加え、案件でできるだけ稼ぐために必要な経験やコツなどがあります。

浅い商流を狙う

まず、エージェントサービスを利用して案件を獲得すると、仲介手数料(マージン)が発生します。企業との直接契約ができれば、マージンが発生しないため単価は高くなりますが、友人・知人からの紹介がいくらでもあるということはありませんし、自身で営業活動をするのは容易ではありません。

トラブルや訴訟のリスクなども考えると、手数料を払っても間に仲介としてサポートしてくれるエージェントを通したほうがよいでしょう。

そしてエージェントを通す場合も、紹介された事業会社がエンド企業であることを確認しましょう。つまりエージェントが一次請け、自分は二次請けの位置にいるかということです。IT業界は性質上、多重下請け構造になることもめずらしくありません。紹介された事業会社がすでに深い階層で請けているのと、真っ先に(この場合エージェントを仲介しますが)一次あるいは二次請けで自分が請けるのとでは、中抜き企業の数の違いが圧倒的な単価の違いにつながります。

ですからフリーランスが案件を探すときは、紹介された企業がエンド企業、またはエンド企業に近いものであることを強く意識しておくとよいでしょう。

上流工程やマネジメントの開発経験

エンジニアの役割には大きく分けて「設計」「構築」「運用」などがありますが、システムの開発において上流工程となる要件の定義や設計などの経験があると、転職や案件獲得に有利になります。

COBOL案件は大規模なものが多く、リーダーやプロダクトマネージャーとしての経験などが求められます。また、将来的にそのようなキャリアアップを目指す人を歓迎する傾向にあります。

業界・業務知識

クライアントが金融機関、生命保険、企業の業務関連などが多いため、計算処理、業務システムへの理解度、業界・業務ごとの専門知識が求められます。開発にあたり、これらの現場での実務経験が求められることが多くなっています。

SNS、BtoB、IoT、組み込み/制御ソフトウェア、ブロックチェーン、IoT、機械学習などの知識があると、案件をより獲得しやすくなります。

また、お金や予約情報などに関わる業務の多さから、少しのミスで業務に差し支える可能性もあります。エンジニアには、専門知識に関する正しい理解と正確性が求められます。

フレームワークを使用した開発経験

COBOLには「COBOL on Wheelchair」「Microsoft.NET Framework」「Net COBOL」といったフレームワークがあり、これらのうちいずれかを使用した開発経験を持っていると、よいアピール材料となり、案件獲得だけでなく単価も高くなる可能性があります。

###大規模システム開発の経験
COBOLでの大規模システム開発による経験をアピールします。例えば、特定の時間に発生する大量アクセスの分散・処理、システムの設計、 Linux/Unixの負荷、使用率などを調査するコマンドの活用などがあげられます。

Javaのスキル・経験

前述しましたが、オープンシステムの移行にはCOBOLからJavaへ移行する案件が増えてきています。そのため、Javaの使用経験、スキルを求められる傾向にあります。Javaは大規模な基幹システム、Webサーバー、Androidアプリの開発など、様々な現場で幅広く利用されています。

COBOL案件だけでなく、Javaを身につけておくことで、様々な案件を獲得することが可能になりますので、身につけておきましょう。

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考えておきたい、重要なキャリアプラン

IT業界の流れは速く、トレンドの移り変わりも激しい業界です。市場やニュースでもオープン系のエンジニアの話題が主流となっているため、COBOLエンジニアにとってはこれから需要がなくなっていくのでは、という不安を持つ人もいます。

COBOLは、言語として古く、COBOLを扱えるエンジニアはだんだんと減っていくことが予想されますが、COBOL自体は安定したコアシステムとして支持・継続されていき、仕事が減っていくとは考えにくいでしょう。

それだけに、COBOL人材は重宝され、また案件獲得や単価アップにつながる可能性があります。

また、現在COBOLからJavaへ、汎用機からオープンシステムへと移行が進められています。長期的な視野で見れば、オープンシステムのスキルを身につけていくことも大切です。

そして、現在COBOLエンジニアは、40代以上が多い市場とも言われており、ある程度の実績を持っていると想定されます。そのスキルとキャリアを活かし、チームマネージャー、プロダクトマネージャーなどのキャリアアップ、キャリアチェンジなどを目指していくこともできます。

そのために、できるだけ早いうちにキャリアプランを立て、自分の強みを活かせる仕事は何か、どのようなスキルを身につけるべきか考えていきましょう。

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まとめ

COBOLは、これからもまだ継続されていき、必要とされている言語です。これからCOBOLを学ぶ人、COBOLで活躍したい人は、リプレイス案件などに注目し、スキルを磨いていきましょう。

必要であれば、転職、またはフリーランス専用のサイトなどで行っている、無料オンライン相談を活用してみるのも1つの方法です。自分のキャリアについて、じっくりと振り返ってみるのもよいでしょう。

エージェントを利用して案件を探したいという方はこちらのページを参考にしてみてください。

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<JavaScript>は<オラクル アメリカ,インコーポレーテッド>の登録商標です。

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